株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

(一社) 人工知能学会:18801(公社)日本証券アナリスト協会:01159

あすなろ投資顧問

2021-06-28 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

続・市場区分再編ネタ:何が起こるかわからない不確実性=リスクは、懸念だけでなく楽しみも!

皆様、日々の株式投資へのお取り組み、ご苦労様です。

ジワジワと、しかしながら確実に市場におけるテーマのひとつとなりつつある、来春の東証市場区分変更ネタ。
今のところ個人的に、酷いなと思ったのは日本オラクル(4716)くらいです。
https://1376partners.com/content_page/13561

移行に際しての数値的基準日である6月30日に向けて、売出しや公募等、需給面に多大な影響を与えるような発表が相次ぐのではないか、という懸念は、今のところ回避されているように思います。

では、この市場区分再編ネタは一服するのかと言うと、決してそうではないように思います。
想定していなかった「横への波及」が実際に観測されているので、本日のコラムでは、そこを取り上げてみたいと思います。

去る5月27日に、東証一部上場の三菱食品は、東証市場区分変更を見据え、流通株式比率を上昇させる事を目的として、公開買付け(TOB)という手法を用いて自社株買いを行う旨発表致しました。

▼自己株式の取得及び自己株式の公開買付けに関するお知らせ(2021/05/27)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/1979101/00.pdf

このTOBに際して、親会社である三菱商事(8058)に対して打診が行われた点も想定範囲内ですが、やや想定外だったのは、TOBをディスカウント(時価よりも低い価格)で実施するという決定です。

一旦まとめます。
想定済その1:三菱食品による、流通株式比率を上昇させる為のTOB方式による自社株買い⇒好印象
想定済その2:親会社である三菱商事によるTOBへの応募を想定⇒ニュートラルな印象
想定外その1:TOB価格はディスカウントで、公平性・明確性・客観性を鑑み、継続保有株主が流出しないよう配慮⇒むしろ好印象

当該TOBは三菱食品の狙いどおり、三菱商事だけが応募する形で、6月24日をもって無事終了しております。

▼自己株式の公開買付けの結果及び取得終了に関するお知らせ(2021/06/25)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7451/tdnet/1992966/00.pdf

一方で、三菱食品は、市場が全く想像していなかったであろう驚くべき行動に出ます。
6月4日付で、カクヤスグループ(7686)株を8%保有している事を大量保有報告で届け出ています。
5月28日 75万株@1479円 市場外取得

さらに同日には、伊藤忠食品(2692)も、カクヤス株を三菱食品と全くの同条件で取得しています。
5月28日 75万株@1479円 市場外取得

さらにさらに、この2件のカクヤス株取得により、単純計算では、カクヤス株の浮動株比率は16%改善する事になります。
(筆頭株主が当該株数を売却したと仮定する場合)
しかしながら、カクヤス株の筆頭株主であるSKYグループによる大量保有変更届は今のところ提出されていません。
不思議ですね。

一旦まとめます
想定外その2:三菱食品が、突如カクヤス株を大量取得⇒カクヤス株にプラスと見る
想定外その3:同日同条件で伊藤忠食品も突如カクヤス株を大量取得⇒カクヤス株にプラスと見る
想定外その4:カクヤス株の筆頭株主による売却であればカクヤス株の浮動株比率が16%改善するが筆頭株主による変更届は無し⇒カクヤス株に対する疑念も?

もちろん、上記全ての「資本政策判断」が、三菱食品の自社株買いを発端にしているとは言い切る根拠は全くありません。
むしろ、同時多発的に起こった事象を、私が勝手に関連付けている可能性が高い事も否めません。
しかしながら、深読みすれば深読みするほど、「な~んか全部怪しい(良い意味で)」笑。

最後のまとめとして、4社(+1社)の株価に対するインパクト面を考慮するとこうなりましょう。
・三菱商事:三菱食品株の売却益を得る⇒株価上昇要因
・三菱食品:流動性時価総額が上がり、自社株消却で1株当たり利益も上がる⇒株価上昇要因
・カクヤス:流動性面が改善し一気にプライム市場を狙えるかもしれない⇒株価上昇要因
・伊藤忠食品:カクヤス株保有による投資益を享受できる可能性及び、三菱商事と三菱食品と同様の資本政策行動を伊藤忠商事(8001)との間で起こす可能性あり⇒将来的な株価上昇要因

商社系食品株は、ひょっとするとこの先、市場区分再編どころか、食品業界大再編のきっかけ及び台風の目となるかもしれません。
何が起こるかわからない不確実性=リスクは、決して不安や懸念面だけではなく、投資機会が広がる楽しみもある、というお話でした。


*本コラムに掲載の銘柄は、注目銘柄として情報をご提供する事を目的としており、これらの銘柄に対して投資推奨する事を目的としたものではありません。



執筆:木村泰章

無料新着記事

記事一覧へ

今ご登録で特典5銘柄+大石銘柄+5000ptをプレゼント!

今すぐ無料登録 クリック