株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2021-09-17 17:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

9月2週の買い主体はやはり海外投資家でしたが、むしろ素直に喜べない

皆様、日々の株式投資へのお取り組み、ご苦労様です。

昨日の取引終了後に、9月2週(9月10日で終了した週)の投資主体別売買動向が開示されました。
注目された海外投資家の買い越し額は3000億円超でした。
https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/investor-type/nlsgeu000005suky-att/stock_val_1_210902.pdf

この週は、日経平均が、前週末9月3日から窓を開ける形で6日(月)に大幅上昇、さらに7日(火)も再度窓を開けて上伸した事から、「慌てて買った」印象の主体が誰なのか、市場の話題となっておりました。

この辺までは、広く報道・解説されている内容かと存じます。

一方で、あくまでも私見でありながら、個人的に非常に気になる点は下記3点です。
(1)3000億円超の買い越しが2週連続となったのは、3月2週・3週以来。
(2)その3月2週・3週はちょうど今から6か月前。
(3)その3月の2週連続3000億円超の買い越し直後に、日経平均は4取引日連続で下落し、1800円超の下げ幅を記録。

(1)は素直に好感できます。
問題は(2)と(3)です。

3000億円超の買い越しが2週連続となった9月2週の「慌てて買った」印象の背景が、「ちょうど6か月前」の動きと同様となっていたのなら、9月2週の海外投資家の買いは、単なるショートスクイーズ(空売りの買い戻し)だったのではないか、という疑念を禁じえません。

加えて、3月の2週連続3000億円超の買い越し直後に、日経平均が4取引日連続下落し、1800円超の下げ幅を記録した事を鑑みれば、今晩控えている米国市場のトリプルウィッチングと相まって、3連休明けの来週の日本の株式相場も3取引日全て下落、という可能性さえ否定できません。

つまり、「日本株の割安感」に着目した海外投資家の買いならば大歓迎なのですが、単なる「売りポジションの買戻し」だったのなら、むしろ、下落懸念の方が強まってしまう可能性がある、という事です。

しかしながら、9月1週・2週に信託銀行は2週連続売り越し、投資信託に至っては9月2週まで実に4週連続の売り越しでした。
この点からは、日本の機関投資家勢は、30000円台での推移が続く日経平均に見合った「買い」を未だ入れていない、むしろ、「買い遅れている」可能性さえあるように感じます。

となりますと、仮に来週日経平均が1週間で500円~1000円下落したとしても、そこには「買い遅れた」日本の機関投資家の買いが待っている、と深読みする事もできましょう。
もちろん、海外投資家勢も、「買い戻し」にとどまらず、「新規の買い」も今度こそ期待できるかもしれません。

まとめますと、
『来週は米国株の下落に連れ安して瞬間的に大幅安の可能性アリ』
『しかしながら下落する場面があればそこは買い場と見る』
という感じでしょうか。。。

皆様、良い週末を。。。



執筆:木村泰章

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