創薬ベンチャー銘柄群へ投資する投資家にありがちな傾向
ここ数年のトレンドとしては、配当を行っている創薬ベンチャー関連企業は、既に「ベンチャー」には該当しない、という見解が主流となりつつあり、無配、赤字状態である事こそが、「ベンチャー」の条件と見なされる傾向が強い印象です。
研究機関としての側面が強く、社会的意義も大きい一方、足元やごく目先の収益性は乏しく、収益化までには5年、10年かかるケースが一般的である事から、出来うる限り短期間で投資成果が上がる事を好み、かつ、小額投資の個人投資家の投資対象としては「不向き」である、というのが個人的な見解です。
しかしながら、思惑先行で「散発的」に、株価が急騰する局面が示現する傾向が強い創薬ベンチャー銘柄群を、個人投資家が好むトレンドは今なお変わらないと思います。
「人気化した際の爆発力に期待」という面では、創薬ベンチャー銘柄群「だけ」に「こだわる」理論的根拠は乏しい印象であるのに、です。
「塩漬け覚悟」と割り切った投資であっても、他にも有望な将来性を兼ね備えた銘柄群やセクターは少なく無いと思われるのに、です。
つまるところ、創薬ベンチャー銘柄群への投資を好む投資家は、往々にして、「相対比較」を無視してしまう傾向が強いように思う次第です。
もう少しシンプルに申し上げると、「他の何かと比べていない」ケースが多いのではないでしょうか。
少なくとも、創薬ベンチャー関連群内での「比較」ぐらいはしておきたいところです。
どれが、どれに勝っている、という比較は、いわゆる「50歩100歩」的な印象ですので、大した意義は無いように思います。
それよりも、「リスクが極めて高い」という面での比較こそが妥当で、それらを投資対象として省いた後に、残った銘柄の中から投資対象を絞り込む、という順序が宜しいように思います。
「継続前提に重要事象等」という、会社四季報の注釈がある銘柄群は、投資対象から真っ先に省くべきかと存じます。
事業の継続性に懸念がある企業=倒産リスクが高い企業であるわけですから、超長期投資目線だったとしても投資対象としては「不適当」と言えましょう。
赤字幅が縮小したり、業績が一時的に黒字転換しても、この注釈が外れない限りは、「不確実性=リスク」が高く、投資対象としては「不適当」とご認識いただきたいと思います。
執筆:木村泰章
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