株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2016-06-25 09:00:00

銘柄アカデミー あすなろ校

あすなろコラム 「 銘柄アカデミー あすなろ校 vol.12」  ■ 今週のニュースオピニオン ■

コラム「銘柄アカデミー あすなろ校」Vol.12
〜今週のニュースオピニオン〜

《マーケット編》

◆Brexitへの備えでFX業者には取引制限の動き!?

 今週の株式市場は先週に引き続き英国のEU離脱騒動に振り回された一週間でした。先週に比べるとだいぶ落ち着きを取り戻したようですが、きっかけは各国政府、中央銀行が英ポンド急落、決済資金不足に備えてドル・ポンド資金供給の準備を始めたことでした。結果は・・・「離脱」でした。

 残留派優勢の事前予想を織り込んでいた市場はネガティブサプライズに大きく動揺した時間でした。EU発足以来、加盟国の離脱は前代未聞であるがゆえに、英国民が下した判断は歴史に残る決断でありました。市場では一気にリスクオフに傾き、外国人投資家もその時間に空いている主要なマーケットが東京市場でしたので、売れる分だけ売ろうとしただけに東証が先物取引に対してサーキットブレーカーを発動する事態となりました。

 この大混乱に備えて金融機関は銀行が事前にドル・ポンド資金を確保しておいたり、為替取引サービスを提供しているFX業者は取引制限を設けておりました。世界からミセス・ワタナベと揶揄される日本のFX投資家は為替市場でも存在感を示した時期がありましたからね。そこで今回の騒動では、FX業者が英国民投票結果や事前報道で為替相場が急激に動く可能性も考えられるため、円とドルに対するポンドの取引額の上限を引き下げるなどの取引制限措置をとったのです。

 ある情報ベンダーによると、開票前のポンド円の取引は買いが売りを7割上回っていて、仮にBrexitでポンド急落となれば多額の損失を被る個人投資家が出かねませんでした。おそらく金融庁や財務局からカバートレードで支えきれないほどのボラティリティになりかねないので、事前に対策に乗り出したということかもしれません。実際にEU離脱となったのは前代未聞の大事件です。それだけ結果が不透明で世界の当局が危機警戒に備えていたということですね。

 FX取引業者は大小さまざまですが、中には今回の為替取引の乱高下はとても相対取引でさばける規模ではなかったのではないでしょうか。事前に取引制限を課していてもこれだけ市場が動いたのですから、余程の衝撃が襲ったと言えます。

 FX取引サービスを提供しているのは上場企業だけでも20社、商品取引も含めると30社ほどにのぼります。以下に代表的な企業だけでもピックアップしてご紹介しておきます。

 SBIHD(8473)、マネックスHD(8698)、カブドットコム証券(8703)、トレイダーズHD(8704)、GMOクリックHD(7177)、ヒロセ通商(7185)、マネースクウェアHD(8728)、マネーパートナーズ(8732)、小林洋行(8742)

 商品取引業者も紹介しているのは、こういった混沌とした市場環境では「質への逃避」が進み、「金」「プラチナ」などの現物資産や「円」などの相対的信用度が高いものにお金が集まるんですね。ただし、市場が乱高下するのは利益獲得機会が多いとも言えます。


◆個人株主数の伸びが過去最大

 東証が20日に公表した2015年度の個人株主は1967年からの統計で過去最大の増加数を記録したようです。昨年はゆうちょ銀行など日本郵政グループ3社が上場したほか、2014年から始まったNISA(少額投資非課税制度)が次第に普及してきたことも影響しているのでしょう。

 昨年の増加数は362万人で、郵政3社の上場時における個人株主数は約180万人ですので、およそ半数に寄与した一大イベントでありました。現在の個人株主数はのべ5,000万人に達する勢いで、まさに2人に1人が株式市場に参加しているということになります。

 相場の世界に入るきっかけは人それぞれだと思います。こうして郵政G上場や相互保険会社の株式会社化で市場に投げ出されて投資家になった方は気の毒な気もしますが、遅かれ早かれ株式投資は必要になってくる時代です。なんといっても日本はマイナス金利真っ只中ですから。すでに投資歴がある会員の皆様はまさにこの362万人の先輩にあたります。

 株式投資は利益がとれる時も、損失を被る時もあります。

しかし、そんな後輩と投資の話になった時、「投資はソンかトクか」を話す前に確認していただきたいことがあるんです。

突然ですが、「72割るの法則」というのをご存知でしょうか?「72」という数を運用利率で割ると資産が「倍」になるまで何年かかるか分かるんです。(複利計算の場合)

複利というのは、例えば預金の場合でしたら元金に対して利子がつきますよね?その利子部分を元金に足して再投資することで、次回はより多くの利子が得られるようになります。

 例)元金100万円、利率0.1%、3年定期預金の場合は…

 1年後は1,000円の利息、2年後は1,001円の利息、3年後は1,002円の利息・・・

 利率と期間が短いので効果薄で意味無さそうですが、このような場合はいかかでしょうか?

 例)元金100万円、利率20%、期間20年の場合は…

 1年後のリターンは20万円、10年後のリターンは519万円、20年後のリターンは3,823万円

 いかがですか?

ちなみに、利率0.1%、期間20年の場合の20年後のリターンは2万円です。

そこで「72割るの法則」を使うとどうなるか?ですが、

 72÷0.1=720(年)

 つまり、100万円でも1億円でも倍にするには【720年】かかるわけです。ありえないと思いますが、マイナス金利で10年国債の利率は−0.1%ですから、720年後には逆に資産が半分になってしまいます。

 もし、株式投資で1年に30%取る場合はどうでしょうか?必要な1ヶ月のリターンは2.5%です。

 72÷30=2.4

 多少の誤差はありますが、2年半ほどで資産を【倍増】させることができるわけです。これが複利効果です。

ただし、この複利効果が怖いのは【借金】をした場合にも当てはまります。つまり、利息制限法の上限18%で借金をすると年率18%の複利で借金が増えていくんですね。ちなみにこの上限を超える利息分については無効となります。金額によっても上限は異なりますので、借金する場合はきちんとご確認ください。

 話がそれてしまいましたが、株式投資の場合は値上がり益(キャピタルゲイン)に加えて、配当利益(インカムゲイン)もあります。これを「再投資」していくことによって複利効果を享受できるわけですね。そうした年間のトータルリターンを意識して投資に臨まれると目先の損益に惑わされず、未来を見越した「投資」ができるのではないでしょうか。

 今後の相場は参院選も始まりましたし、英国で長年くすぶっていた因縁の国民投票も通過しましたので、夏に向けて市場が盛り上がってくれることを期待したいですね。どうやら今回の参院選の目玉は「景気対策」ではなく、「憲法改正」に焦点が集まっています。改憲勢力の議席数が2/3の162議席に達するのかどうか。個人投資家としては成長戦略に向けた規制緩和や名目GDP600兆円の達成がなされるかどうかが気になるところなんですが・・・。

 今週はまさに激動の相場でしたので、あすなろ社内では社長の大石はじめアナリストの面々が今後の戦略についてトップシークレット会議をやってます。どんな内容なのか気になるところですが、来週は何か重大情報が出てくるのかもしれません。そんなわけで尊敬する投資家の皆様方、来週もまたよろしくお願い致します。


執筆:加藤あきら


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