一世を風靡したアノ銘柄
一時は一世を風靡した外食チェーンのペッパーフードサービス(3053)を取り上げます。
2月の株価急騰を覚えていらっしゃる方もいるかもしれません。
最盛期の2019年には489店舗あった同社の「いきなり!ステーキ」の店舗は現在は180店舗程度まで縮小しました。
ペッパーフードサービス創業者の一瀬邦夫氏は低価格ステーキの提供のアイデアを持っていましたが
立ち食いスタイルで高原価の高品質商品を高回転でこなすと言う独自のスタイルを持つ「俺のフレンチ」で有名な坂本孝氏と出会った事で「いきなり!ステーキ」の着想を得たと言います。
その後、同業態は大きなヒットとなり急速に拡大していきます。そしてその後急成長と同じく急激に失速することになります。
いくつも要因が考えられますが
・急速な出店にサービスや従業員育成が追い付かなかった
・杜撰な出店選定で採算が難しかった上に、近隣同業態で共食いとなった
・肉マイレージ廃止など改善策が裏目に出た
・一瀬社長のキャラが悪目立ちした
等が考えられるでしょう。
現在は創業者の一瀬邦夫氏は退任し、息子の一瀬健作氏が指揮をとる体制となっています。
業務改善、立て直しに取り組んでいる最中であり、経過を見る必要があります。
決算に期待した一時的な騰貴が見られましたが現在は軟調に推移しています。
これは改善策の芽が出るのは時間がかかることに加え、祖業であり好業績だった「ペッパーフード」業態を売却してしまったのが響いていると考えられます。
当然、資金面で考えれば売れるものを売って再建に充てるのは間違いではありませんし、事業継続に必要な苦渋の決断であったことは容易に想像ができます。
また四季報の中でも「継続前提に疑義注記」の記載があります。
これは端的に言えば企業が継続していく事が困難である可能性を示すサインと言えます。
もちろん、状況や業績が改善すればこの記載対象から外れる事もあります。
業績改善の取り組みに蒔いた種が芽を出すのは少し先になると見ています。
短期的に急騰したことに惑わされず、じっくりと業績の改善を見守りたい局面の銘柄と言えるのではないでしょうか。
■取り組み注意銘柄
ペッパーフードサービス(3053)
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