元外資系金融マンのこぼれ話 「日銀が歪めるボラティリティ」

【8/16】元外資系金融マンのこぼれ話 〜日銀が歪めるボラティリティ〜
前場のお取り組みお疲れ様でした。
本日も円高の圧力にさらされながら、日経平均は16,800円を保って引けました。
ファーストリテイリング(9983)やKDDI(9433)が軟調な展開で下落寄与が大きいですね。
KDDIと資本・業務提携発表で連続ストップ高していたエナリス(6079)が
本日ようやく寄り付きましたが、
終始利益確定売りに押される展開のようです。
また、昨日はマザーズ指数を押し上げたサイバーダイン(7779)が
8/10の1Q決算で赤字幅拡大を発表していたのですが、本日空売り筋のシトロンが
ネガティブレポートを出したことにより急落しています。
目標株価は「300円」。
本日の寄付きが2,100円程度でしたから、ターゲットまでは85%のダウンサイドリスクが
あることになります。
マザーズ指数の寄与度も高い銘柄ですから、
マザーズ指数の先物を空売りしている方もいらっしゃるかもしれません。
8/12には野村證券が同社の目標株価を3,200円→3,300円に引き上げたばかりでしたから、
足元で買い材料にされてた方もいらっしゃるかもしれません。
下値のメドは見えませんが、逆に買い向かう人もいるのが市場です。
今後の成り行きを見守りましょう。
米国株が最高値を更新しているのに追随できない日本株には円高という
ビハインドはあるかもしれませんが、
一番はこのあたりの市場の脆弱性にあるのかもしれません。
薄商いの状況は株式市場の強者にとっては好都合です。
大きな資金を要せずとも市場にインパクトを与えられるうえに、
さらに敏感に反応しやすいのが日本株の特徴といえます。
本来なら、先のブレグジットの時と同様、新興国市場と比較しても遜色ない
ボラティリティの高さがあります。
現在は日銀のETF買いがこのボラティリティを失わせているといえます。
個人投資家の主戦場となっているマザーズ市場ですが、
マザーズ市場で戦うにはぬるま湯相場に慣れてしまっては上記のサイバーダインのように
思わぬしっぺ返しを食らうかもしれません。
業績の裏付けがない株価には容赦ない浴びせ売りが仕掛けられてしまうので、
ここから先も銘柄選定はより重要になりそうです。
【 後 場 の 格 言 】眠れぬ玉は持つな
それでは、後場もよろしくお願いします。
執筆:加藤あきら
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