「出る杭は打たれるが、出過ぎた杭は打たれない」
経営の神様と言われてきた、松下幸之助の名言ですね。
トランプ大統領は、まさに、「出過ぎた杭」的かもしれません。

ただ、トランプ大統領の推し進める「アメリカファースト」は、世界という枠組みの中での自国優先主義が行き過ぎると、米国VS米国以外の多勢という構図を招きかねず、中でも、人種や国境を超越した教義であるはずの「宗教」的な部分に、悪影響を与えかねないのではないかと危惧しています。

会員様各位の記憶にも新しいであろう、前安倍首相が凶弾に倒れた事件。
背景には、宗教にのめり込んだ家族の元凶は、その宗教と密接な関係にあった政府関係者にあるとの「曲解」がありました。
その事件をキッカケに、政治に対する宗教の影響力を断ち切ろうと、当該宗教団体には解散命令が請求されています。

1990年代の後半には、オウム真理教が引き起こした数々の事件が「テロ」と認識されていますし、長らく続く中東圏の小競り合いも、結局もとをただせば「聖地」に関する宗教戦争と言えましょう。
「9.11同時多発テロ」も、根底にあったのは、歪んだ、狂信的な宗教観が生んだ、「実力行使」だったわけです。

世界レベルで進行してきた「グローバリズム」の根幹のひとつは、「多様性を認めようじゃないか」という考え方に基づいていたわけですが、これがトランプ大統領の再任によって、「結果的に」「後戻り」してしまうと、宗教的な争いが激化してしまう事につながりかねないように思います。

ローマ教皇は、トランプ氏は「キリスト教徒ではない」と発言し、移民取り締まり措置を大幅に強化する計画を、「恥ずべき事」と強く非難しました。
大統領就任宣誓時に聖書に手を置かなかった事も、今後、折に触れて問題視される事でしょう。

ユダヤ教、キリスト教、イスラム教は、元を辿れば、天地創造の神を信じる宗教という点で共通点も認められますが、移民取り締まりを強化すると、過去のユダヤ人迫害が意識されやすく、そこにキリスト教徒では無いと指摘された点を加味すると、トランプ氏を宗教上の「共通の敵」と「曲解」した狂信者が、「打つ」どころか「撃つ」という蛮行に及ぶ可能性もあるように思います。

United Nation＝国連、United States Of America＝米国。
世界は「United」という概念に「憧れ」、「United」という概念を取り入れてきたハズなのに、そこから米国が離脱したらどうなるんでしょう？

「米国1人勝ち」はありえないように思いますが、1人勝ちになるとしても、不確実性だらけで、さすがにしばらくの間、米国株に対する投資は慎重にならざるをえないように思います。

やっぱり日本株、まずは内需に軸足のある、中小型成長株群への投資が、消去法的にも「無難」であるように思います。



執筆：木村泰章

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◆NSSOL（2327）
◆マクニカHD（3132）
情報・通信業の中でも比較的事業規模が大きめの銘柄群の中には、なかなか株価が上向かないものが少なく無いように思います。長期目線なら突っ込み買いもアリかと。。。

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