マクセル（6810）

同社は、電池や粘着テープ、光学部品など多様な製品を製造販売する電気機器メーカーで、エネルギー、機能性部材料、光学・システム、ライフソリューションの4つのセグメントで事業を展開している。

エネルギーセグメントでは、一次電池や二次電池を中心に、BtoB・BtoC向けに製品を提供し、特に自動車や医療分野向けの電池など、BtoB製品が主流となっている。
機能性部材料セグメントでは、産業用の粘着テープやフィルムを展開し、半導体製造工程で使用される高精度テープなどを製造している。

同社の強みは、「混合分散（まぜる）」「精密塗布（ぬる）」「高精度成形（かためる）」という独自のアナログコア技術にあり、近年は、全固体電池の開発や製造販売にも注力しており、顧客のニーズに応じた小型化、精緻化、高密度化を実現している。

2025年度（4月以降）には、自動車生産の回復が本格化する事が見込まれており、同社が主にHEV用電池向けに供給している塗布型セパレータは、採用車種の拡大等による増収が見込まれよう。
医療機器向け電池では米国での規制緩和に伴う血糖値メーター向けの市場拡大により、同社電池の需要も増加傾向にある。

今期3Q累計(4-12月)の連結経常利益は前年同期比6.8％減の71.2億円となったが、10-12月期(3Q)の連結経常利益は前年同期比98.1％増の32.5億円に拡大しており、来期以降の利益成長加速に向け、赤字事業・低収益性事業の収益性改善となるか、施策が注目される。

足元の株価は揉み合いながらも、200日移動平均線が下値支持として機能しており、下値の切り上がりが継続中だ。
需給面では、外国人保有比率が40％超となっている点が注目に値しよう。
PER14倍、PBR1倍割れ、配当利回り2.5％程度と、バリュー性にも優れており、この点を見込んだ長期目線の大口投資家の買いが、今後も株価の下支え要因になるものと見る。