東京計器（7721）

同社は、船舶港湾機器、油空圧機器、流体機器、防衛・通信機器の4つの主要事業を柱としている。
このうち、防衛・通信機器事業では、防衛省向けに航空・海上・陸上自衛隊向けの高度な装備を長年供給しており、特に航空自衛隊のF-15J戦闘機や海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH-60K向け電子機器など、信頼性が極めて求められる分野で実績を持つ。

2024年には防衛予算増加に対応するため、栃木県那須工場に約15億円を投じた防衛管理棟を新設し、増産体制を強化している。
2025年現在、防衛予算の増加を背景に、同社の受注はさらに拡大傾向にあるものと目されよう。

同社の防衛省向け製品における市場シェアは、特にフライトデータレコーダー（FDR）で国内トップシェアを占めており、防衛分野ではおよそ90％のシェアを保持しており、自衛隊ヘリのほぼ全機種に搭載されるフFDRを供給。
防災任務中の事故調査や運航データ分析に不可欠な機器で、耐衝撃設計が特徴だ。

防衛面だけでは無く、昨今相次ぐ山火事等へのヘリ派遣にも間接的に関与しており、上述の海上自衛隊の哨戒ヘリコプターSH-60Kは、哨戒任務と兼用で災害派遣にも投入されている。
同社は、GPS地図表示装置や衛星通信システムを提供し、消防防災ヘリの「航空機動態監視システム」と類似技術を活用、災害現場での位置情報共有を支援する。

今期3Q累計(24年4-12月)の連結経常利益は前年同期比3.6倍の12.2億円に急拡大し、併せて、通期の同利益を従来予想の42.8億円から47.3億円(前期は29.9億円)に上方修正している。
防衛費の増額が、業績面拡大に直接プラス寄与するものと見られ、来期も業績拡大が期待されよう。

足元の株価は、3月初頭以降切り返し基調にあり、揉み合いながらも、上値追いの展開が継続中だ。
来期の会社計画が示されるはずの5月には、4000円台へ進んで高値追いの展開に移行するものと見る。