ようやく大きな値幅を伴っての切り返しとなった本日の日本の株式市場。
ひとまず、総悲観相場は一旦終焉と見て宜しいでしょう。

ただ、いきなり「楽観」とまでは進みません。
株式市場は未だ、「病み上がり」的な状態であって、不確実性そのものが大きく後退したとは言い切れません。

昨晩、米国を代表するエアラインのひとつデルタ航空は、今期1Qの決算発表を行いました。
その決算数値はさておき、驚きだったのは下記2点です。

『最新の通期業績見通しを示すのは時期尚早だ（エド・バスティアンCEO）』
『追加関税が航空機のコストを引き上げている事から計画していた航空機の導入を延期する方針だ（同氏）』

この度の米国の関税・通商政策が、投資家の大きなリスクオフへとつながった背景は、関税率とか貿易戦争に発展する懸念とか、そういった「表面上」の「漠然とした」懸念ばかりではありません。

投資家が最も懸念しているのは、実体経済に及ぼす影響がいかほどなのかを予測できず、それが投資家に留まらず、上場企業の先行き業績見通しにも影響すれば、投資判断上最も重要であるはずの、企業業績の見通しを会社側が開示しない、という事態を引き起こす可能性こそを怖れてきたわけです。

上掲のデルタ航空の1Q決算発表では、2Qの見通しは示されたものの、通期見通しは一旦取り下げられました。

「引き下げた（下方修正）」に留まらず、「取り下げた（一旦非開示とする）」のですから、そのインパクトは非常に大きいものと考えます。
企業側が、会社計画をいったん白紙としたのですから、やや大袈裟に申し上げれば、飛行機は飛んでいるけど、目的地は決まっていないようなものでしょう。

じゃあ、デルタ株は売りだな。
いえいえ、実はそんなに単純ではありません。
全体相場との兼ね合いをも考慮すると、いち早く「白旗」を上げたデルタ株は、むしろ、いち早く「膿出し」を終えたと見なされるかもしれません。
いわゆる、「悪材料出尽くし」ですね。

同社株は2月以降下落が続いていた事から、内容の如何に関わらず、決算発表が相場の転換点となりやすかった可能性もあり、同社株は決算発表後に、なんと23％超にも及ぶ大幅な株価上昇を記録しました。
昨日のエヌビディア株の上昇率が18.7％だった事と比べても、その切り返し幅がどれだけ大きかったかご実感いただけましょう。

ここから得られる教訓は、あすなろが繰り返しお伝え申し上げてきた投資スタンスのとおりです。

【リスクオフムードに惑わされてロスカットを急ぐほどのポジション「整理」は逆効果となる可能性が高い】

【ボラティリティの高い相場展開の中では、広く薄く軽めのポジションを維持する事を目指す】

【相場全体が大きく切り返す際には、利食い売りを行って、投資余力を確保する為のポジション「調整」を優先する】

これら3つの基本スタンスを徹底なさっていれば、「大ボラ相場」（変動率の大きい相場展開）も、大きな収益機会となりえるものと考えます。



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆日本航空（9201）
◆ANAホールディングス（9202）
◆スカイマーク（9204）
日本の空運各社は、従前から25年3月期の業績について慎重な見通しを示していた事から、足元の株価下落でアク抜け感が意識されやすい局面と見ています。

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆キオクシア（285A）
◆ルネサス（6723）
◆ソシオネクスト（6526）
いずれも4月7日のご紹介からの高値騰落率はおよそ18％～32％と大幅に上昇。
キッチリ利益確定しておきましょう。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪億男Ｗのバブリーヒルズ銘柄≫
　75日移動平均線を上回り、25日移動平均線をも上抜けそうです。

◆≪緊急即日公開銘柄2025【第4弾】≫
　当然ながら銘柄公開後の高値を更新！
　FRESHな銘柄をポートフォリオに加える形でのポジション調整がキレイに決まった感じですね。


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