今年1月の終盤に、世界の株式市場を震撼させて「ディープシークショック」はご記憶に新しい事でしょう。
AIチップの開発と設計で世界をリードしてきたNVIDIA株の時価総額は、一時的に90兆円も消失したとされています。

ディープシークが、「米オープンAIのモデルと同じくらい高機能だ」と主張する新モデル「R1」を公開した際には、米オープンAIやソフトバンクグループ(SBG)などがAIの開発インフラに5000億ドル(約77兆円)規模の資金を投じると表明した一方で、ディープシークは1つのモデル開発にかかった費用が約560万ドル(約8億6000万円)、開発期間は約2カ月だと説明した事から、「AI半導体の価格破壊」が意識され、AI関連株やIT関連株が広く売られ、株価が大きく下落したわけです。

その後、ディープシークはAI開発のために少なくとも5億ドル相当の半導体を購入し、エヌビディア製半導体のH800を約1万個、H100を約1万個、H20を約3万個を保有している、との指摘が複数のニュースベンダーにより報じられ、ディープシークが最先端の半導体を使用せず、低コストで最先端のAI開発に成功したとする発表は、実は、中国主導の「フェイク」的な情報操作では無いかという議論まで巻き起こりました。

真偽のほどはともかく、そのディープシークは、「R1」よりも大幅に性能を改善させた「R1-5028」を5月29日にリリースし、さらには、「R2」が近い将来登場する事も予想されはじめました。

某米系大手証券会社は、「R1」がNVIDIA製のH100GPUに依存していたのに対し、「R2」はHuaweiのAscend910Bチップを使用している模様、と指摘し、同社が軽量、高性能、低コストな生成AIを開発できれば、AIの活用の裾野が広がり、関連する製造装置にも恩恵があろう、との見解を示しています。

ディープシークショックから4か月以上が経過し、現在では、あの「ショック」に関する「総括」としては、ディープシークの登場をきっかけに起こった、AI関連を中心としたハイテク株セクター全般の「バリュエーション調整」に過ぎず、株価が過度に上昇し過熱しすぎた反動が出たもの、との見解こそが主流になっています。

ディープシークが限られた安価なコストで高機能のAIモデルを構築する事は、仮に米国のAI技術の優位性を危うくするものであったとしても、世界的なAI技術の進歩を促すうえでの「副作用」に過ぎず、企業の新規参入や投資により、AI技術のさらなる発展につながる可能性さえ大きい、との指摘も増えています。

NVIDIAの2-4月期決算では、GPU「ブラックウェル」の需要が顕著で、主力のデータセンター事業が73％増収と全体をけん引しました。
中東地域のAI関連プロジェクトも、米国企業とのタイアップこそが主流で、未だに世界的な評価は、NVIDIAを始めとしたAI開発に関しては米国こそが「1丁目1番地」との認識で一致しており、今後も、「中国製は別モノ」との認識が進むかもしれません。

某投資情報ベンダーがまとめている人気投資テーマランキングでは、一時20位以内からも脱落してしまっていた、「データセンター」が、再度10位以内へと食い込んできました。

あすなろが従前からお伝えしてきたとおり、昨年2月～3月にかけての「AI/DX関連銘柄群一斉蜂起」と同様に、足元から7月にかけて、データセンター関連や半導体セクター全般や、もちろんAI/DX関連も、大きな【逆襲局面】を迎えても不思議では無いように思います。



執筆：木村泰章

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　個人的に注目している銘柄
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◆住友電設（1949）
◆エクシオグループ（1951）
◆三機工業（1961）
電線株だけじゃなく、データセンター関連としては電設工事を手掛ける銘柄群にも追い風と見ます。

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　私のコラムで紹介した銘柄
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◆ククレブ（276A）
　スイスイと上場来高値を更新！
　ババ抜き状態になる前に一旦利益確定を優先致しましょう。
　4月22日のご紹介時からの高値騰落率36.65％。

◆関電工（1942）
　電設工事と言えばコチラも大本命。
　キレイな右肩上がりの株価上昇が続きます。
　1月23日のご紹介時からの高値騰落率30.40％。

◆santec（6777）
コチラもデータセンター関連として認知されています。
　株価は5000円を回復し【逆襲継続中】。
　4月15日のご紹介時からの高値騰落率28.86％。

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　単発スポット銘柄の見解
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◆≪ザ・裏道王道銘柄≫
　第3利確ポイントもクリア！
　おめでとうございます♪

◆≪社長大石の1億円銘柄≫
　上昇トレンドに崩れ無く、銘柄公開後の高値を更新。

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　来週も楽しみですね♪


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