日経平均は、上値抵抗と見られていた40300円～40400円をついに上抜き、本日は40800円台へと上伸する展開となっています。
このまま、この傾向は7月も継続するのでしょうか？

まずは、現在の「買い優勢」の背景については、概ね、こんな感じの理由によるものだろうと想定しています。

1.国内勢も海外投資家も、債券が買いにくいので、株式市場からの資金が流出せず滞留資金が多い。
2.日米の関税交渉には進展が見られないが、相互関税の発動見合わせ期限は再延長される可能性がある。
3.4月～6月の国内企業の自社株買い発表額が、四半期としては過去最高の9.2兆円に達した事から、この流れが継続する事に期待する投資家が多い。

一方で、7月相場のリスクシナリオとしては、下記を想定します。

1.7月1日発表の日銀短観（6月調査）により、景況感の悪化は9月まで長引く事が認識されやすい。
2.日米共に、個別企業の7～8月の決算発表では関税の悪影響が顕在化する可能性がある。
3.7月20日の参議院選挙で与党側が負け、政治的混乱・空白が生じる懸念がある。

こうしたポジティブ/ネガティブなシナリオを総合的に考慮すると、今のところは、今年のサマーラリーは期待薄と考えざるをえないように思います。
目先（7月）は下記のような相場展開を予測します。

1.単純に、株価上伸のスピードが速かった事の反動で、日経平均は7月1週～2週に最大で2500円～3000円ほどの下落もありえる。
2.相互関税の期限が再延長されても、その分不確実性が先送りされるだけで、各企業は慎重姿勢を継続する可能性が高い。
ゆえに、7月～8月に発表される個別企業の決算発表は厳しめの内容となる事が想定される。
3.参議院選挙の結果を受けて仮に石破政権が退陣する事になると、関税問題は米国主導が色濃くなる可能性が高い。

ただし、この夏の下落局面が、おそらく、年内の押し目買い機会となるものと考えます。
その理由は下記のとおりです。

1.企業の慎重姿勢は、結局のところ警戒し過ぎだったとの認識が秋以降に高まり、中間決算発表を機に通期の業績見通しの上方修正が相次ぐ可能性が高い。
2.製造業を中心に米国関税対策が進み、主に価格転嫁の形で業績への悪影響は抑制され、その効果が秋以降に確認される可能性が高い。
3.米国中間選挙を意識し始めてトランプ大統領の関税に対する強硬姿勢がソフト化する可能性がある。

7月～9月のお取り組みが、その後のパフォーマンス（投資成果）に大きく影響するものと考えます。
どのようにポジション調整を行って、どんな銘柄を加えてゆくのか、是非、あすなろにお任せください。
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執筆：木村泰章

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