ディア・ライフ（3245）

東京23区の駅近物件に絞った不動産開発が最大の強みである。単身者やDINKS向け高級マンションを機関投資家へ1棟売却する独自モデルを確立。注目すべきは約40名で年商400億円を超える驚異的な生産性だ。用地仕入れから企画、建設、販売まで一人の担当者がすべて手がける「一人デベロッパー制」により、大手の10分の1の人員で同じ規模の事業を展開している。グループ企業との連携で不動産事業の付加価値を高め、人材サービスや賃貸管理とのシナジー効果も強い。商社出身（ニチメン、現：双日）の阿部社長が率いる機動的な経営体制が、高収益の源泉となっていると見る。

2025年9月期第2四半期は驚異的な成長を記録した。売上高は前年同期比約3倍の261億円、経常利益は約6倍の20億円と大幅な増収増益を達成した。好調の背景には大型プロジェクトの成功と東京都心の旺盛な投資需要がある。通期経常利益目標100億円に対し上期だけで20％を超えており、順調な進捗だ。中期経営計画の目標達成も十分可能と見る。コロナ後を見据えたホテル事業への参入検討など、新しい成長戦略も動き出している。不動産市況の追い風が続くなか、成長余地はまだ大きいと期待できよう。

直近の株価は節目1250円前後でのもみ合い商状が続いている様子。今年4月の安値である925円をボトムとした株高が一服した後の踊り場相場であり、目先は慎重な攻防線が続くであろう。テクニカルのMACDはデッドクロス後にMACDとシグナルの乖離幅が拡大。MACDが再び右肩上がり形状になってきたタイミングで仕込むのがベターだろう。PERは8倍程度と割安、約5％という高配当利回り、そして好業績の三拍子が揃っており、投資妙味が膨らむ。