KHネオケム（4189）

基礎化学品、機能化学品、電子材料の三本柱。オキソ由来の高機能アルコールや特殊ジオール、機能性モノマーを強みに、冷凍空調向けポリオールエステル系潤滑油原料、塗料、接着、化粧品原料などに展開。高純度品の量産技術と供給安定力で差別化が効くとみる。空調機の高効率化や環境規制対応で潤滑油・機能材の需要が底堅く、電子材料も半導体・表示体の微細化で付加価値の高いニーズが続く構図。中計は機能化学と電子材料を軸に新製品育成を加速させる方針で、ニッチ領域の深掘りによる利益質向上が期待できよう。

25年上期は売上が前年同期比で増加、営業利益・経常利益・純利益も伸長。原料安定と製品ミックス改善が寄与したと読む。通期見通しは増収増益計画を据え置き、年間配当は増配計画。自己株取得の決議と進捗開示もあり、資本効率の意識は高い。足元は総資産の適正化と自己資本比率の改善が進む一方、為替やナフサ系原料の変動は収益にブレを生じさせ得る。売上規模の拡大よりも収益性重視の舵が確認でき、単価と高付加価値シフトの継続が焦点とみる。

株価は年初来で戻り基調と調整を織り交ぜた推移。2月の自己株取得決議以降は下値が固まりやすい値動きが見られ、8月の上期決算前後で出来高が膨らむ場面。現水準は長期レンジの中腹圏と見え、移動平均線は短期と中期が交錯を繰り返す局面。自社株買いの継続と配当方針が押し目の心理的下支えになりやすい一方、原料市況や為替に敏感で日々のボラは残りやすい。決算トリガーでの窓形成後の埋め動向と、週足ベースの高値安値切り上げ継続の有無を確認したい局面である。米ウエリントン・マネージメントという海外機関投資家が同社株の大量保有報告書を提出したことはポジショブと見ている。