ハイレックスコーポレーション（7279）

自動車向けコントロールケーブルやウインドウレギュレータ等の機構部品を中核とするサプライヤー。国内では幅広い完成車メーカーに長年供給し、ケーブル領域で高いシェアを持つことが強みと見る。世界各地に生産拠点を展開し、メカから電子制御へと機能を拡張する方針も掲げる。用途は自動車が中心ながら、建機や医療分野へ応用可能性を広げる構え。安定需要に支えられる基盤の上に、機構のシステム化やモジュール化で付加価値を高める余地があると評価する。なおPBRは0.6倍台と割安感あり。

2025年10月期上期は、売上横ばい圏ながら利益が大きく改善。原価低減や北米での一過性要因の解消、生産性の底上げが効いた格好と読む。自己株式取得の決定や資本コスト・株価を意識した施策の更新を公表しており、資本効率改善への意思表示が見られる。加えて、車体開閉系など周辺領域の強化策が進むなら、次期以降の収益力向上が期待できよう。直近の開示や説明資料を踏まえると、足元の回復基調は継続シナリオを描きやすいとみる。

株価は年初来で堅調な推移を続け、直近は2800円台後半での値動きが中心となっている。52週レンジは1214円～2885円であり、高値圏でのもみ合いが続く局面とみられる。日足チャートでは25日移動平均線が75日移動平均線の上に位置し、緩やかな上昇基調を示している。短期的には2850円近辺が上値の節目、下値では2780円前後が意識されやすい。週足では高値更新を試みる動きが見られ、出来高の増減も節目に連動している。イベント前後の変動には注意が必要だが、中期的には上昇トレンドの持続を意識したい局面である。