粧美堂（7819）

化粧品・美容雑貨・服飾雑貨を企画し、国内外の協力工場へ生産を委託して量販店やドラッグストアに卸すファブレス型メーカーである。キャラクターコラボや自社企画を軸に、トレンドの吸収とSKU展開の速さを武器と見る。開発から調達、品質管理、納品までを一気通貫で回す運営力が強みで、在庫回転を意識したMD運用が利益率の底上げに寄与しやすい。今後は動画ECやSNS上の発見需要の取り込みが進めば、新商品の立ち上がり速度が高まりやすく、ヒットの再現性向上が期待できよう。

2025年9月期3Q累計は増収増益ペースを維持。売上高は前年同期比4.0%増の163億円、営業利益は1.2億円で34.8%増。自社企画とEC比率の上昇で売上総利益率は31.3%と前年から約5ポイント改善、販管費増（20.8%増）は粗利増で吸収した。純利益は8億円で20.4%増。セグメントは、化粧品が6348百万円で8.9%増、化粧雑貨は一部採算見直しで5152百万円の1.6%減、コンタクト関連は中国EC撤退影響で1.6億円の13.6%減。期中にピコモンテ・ジャパンを子会社化、一方ビューティードアを譲渡し売却益を計上。通期予想と配当計画は据え置きで、足元の収益改善を確実に通期へつなげられるかが焦点とみる。

株価は直近、1000円近辺の価格帯での往来を挟みつつ、出来高を伴う日と細る日が交錯するボックス型の推移。短期は戻り待ちの売りをこなしながら、移動平均線の傾き確認がテーマである。上方向は直近戻り高値ゾーンの上抜けでモメンタム回復が意識されやすく、下方向は直近安値帯と出来高密集帯のサポート確認がポイント。イベント面では月次の販売トレンドや新製品投入ニュースが需給に効きやすく、値幅よりもトレンド転換の初動捕捉を意識した分割エントリーが機能しやすい局面と読む。