結論から申し上げると、米国雇用統計の減速でFRBは9月の利下げがほぼ織り込まれました。日本政治リスクや原油欧州安全保障問題も絡み、相場は調整圧力と新たな資金流入が同居している段階。
新首相への期待が相場を動かし、セクターごとの動向にも着目したいタイミングです。


【米雇用統計とマーケットシナリオ】
8月の米雇用統計では非農業部門就業者数が2万2,000人増と、市場予想を大きく下回りました。失業率も4.3％に上昇し、雇用の減速が鮮明になっています。これを受け、FRBは9月会合で利下げを実施するとの見方が強まり、25bp利下げの可能性が高い一方、50bpへの警戒感も残っています。

米株市場は利下げ期待と成長懸念の綱引き状態です。為替はドル安・円高に振れやすく、輸出企業には逆風となる一方、資源株や金融株には新しい流れが芽生えそうです。


【日本政治：首相交代劇と市場】
石破首相の辞任表明で政権の行方は不透明となり、自民党総裁選は高市早苗氏と小泉進次郎氏を軸に展開される見込みです。与党が衆参で過半数を割る中、野党との連立協議が焦点となります。政策論争が活性化すれば中長期的には投資家心理の安定につながりますが、短期的には新首相への期待が相場を動かす局面です。

■高市早苗氏とは？
松下政経塾出身の64歳で、学生時代はヘビーメタルバンドのドラマーでした。昨年の総裁選では1回目の投票でトップに立ちながら、決選投票で石破氏に敗北。要職には就きませんでしたが、知名度の高さから参院選で全国を回りました。

政策面では、日銀の利上げを「時期尚早」と批判し、食料品の消費税率を0％にすべきだと主張しています。経済安全保障や先端技術にも関心が高く、量子コンピューター・半導体・核融合炉といった分野への関連銘柄に注目が集まりそうです。

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■小泉進次郎氏とは？
小泉純一郎元首相の次男で44歳。2009年の衆院選で初当選しました。昨年の総裁選では国会議員票でトップでしたが、党員票が伸びず決選投票には進めませんでした。菅義偉副総裁に近く、石破首相に辞任を促したと報じられています。

石破内閣では選対委員長を務めましたが衆院選敗退を受け辞任。その後農相に就任し、コメ価格高騰に対応するため備蓄米の売り渡し方式を導入しました。再生エネルギーや地方創生、ESGを重視しており、関連銘柄として地方インフラや人材育成関連に注目が集まりそうです。

「環境」「地方創生」「ESG」など、持続可能な社会の構築を訴えてきた政治家で、再生エネルギーや地方インフラ、人材育成関連銘柄に注目が集まりそうです。

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■その他、首相候補
・小林鷹之氏
50歳の小林氏は、若手世代のリーダー候補とされています。昨年の総裁選では中堅・若手議員の支持を受け、一番乗りで立候補表明し5位に入りました。石破政権では要職に就きませんでしたが、参院選後は首相の早期退陣を促す発言を続けています。
サラリーマン家庭出身で財務官僚を経て、2012年の衆院選で政界入り。宇宙資源法など議員立法に取り組み、岸田内閣では初代の経済安全保障担当相を務めました。

・林芳正氏
昨年の総裁選では小泉氏に続き4位となりました。政策通として知られ、参院議員時代には農相や文部科学相を歴任。2021年に衆院へ転身後は、岸田政権で外相・官房長官を務め、石破政権でも官房長官に再任され首相を支えました。64歳です。

・茂木敏充氏
大手コンサル会社勤務を経て1993年に衆院初当選。前回の総裁選では現職幹事長として挑み6位に終わりました。石破政権では要職から外れ、参院選後はYouTubeで党再生には「リーダーも含めた主要メンバーの刷新が必要」と発信。執行部の交代を主張しました。
経済産業相、外相、党政調会長などを歴任し、日米貿易協定などの通商交渉も担当。69歳で「タフネゴシエーター（手ごわい交渉相手）」として知られています。

グローバルで新旧の変曲点に差し掛かるのが今のマーケットです。米国の雇用の減速、日本の政局、金融政策の転換と、動きの一つひとつに機会を感じる瞬間でもあります。

戦略としては、ちょっぴり忙しくなりますが「利食いも仕込みも手掛ける」今こそ一歩を踏み出すタイミングかもしれません。どんな状況下でもマーケットに挑む皆様に、「今日も気合い十分で！」と、お伝えいたします。明日への布石を仕込む、そんな一日にしてまいりましょう。


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