アルトナー（2163）

機械・電気電子・組込みソフトの開発領域で、正社員エンジニアを核にした派遣・請負・受託を組み合わせるモデル。採用と育成に資源を厚く配分し、基礎から応用までの自社研修を通じて稼働率と単価の底上げにつなげている点が強みと見る。自動車の電動化や半導体製造装置、モデルベース開発など需要が広がる分野に人員を重点配置できる機動性も武器。直近では車載組込みに強みを持つ企業の子会社化に踏み込み、IT・組込みの厚みを増す方針が鮮明。受託やチーム派遣の比率を高めることで付加価値の積み上げが期待されよう。

26年1月期上期は増収増益で着地。技術者数の増加に加え、高水準の稼働と単価上昇が寄与し、営業利益率は1割台後半まで改善。通期計画は据え置きながら、上期の進捗は例年水準をやや上回る格好で、採用・教育の先行投資を吸収できていると見る。自動車の電動化案件や半導体関連の需要継続が背景。一方、下期は採用費や人件費増、案件のローテーションに伴う短期的な効率低下が意識されやすく、会社計画は保守的なレンジ運営。M&Aによる組込み領域の裾野拡大が来期以降の収益機会の広がりにつながる可能性があろう。

株価は2000円近辺の往来から、決算発表を機にリバウンドの初動を探る局面と読む。日足では5日線の奪回と押し目形成が焦点で、出来高の増加を伴えば9/9高値2089円までの戻り余地が意識されよう。中期では上昇トレンドの起点を割り込まずに推移しており、直近高値帯のしこりをこなす過程。上値はイベント通過後の戻り売りが断続的に出やすい一方、配当・需給の下支えと決算で示された利益率の改善が下値の粘りにつながるイメージ。短期は移動平均線の傾きと出来高のトレンドを確認しつつ、節目価格でのエントリーが一策であろう。なお配当利回りは4.17％（執筆時）。