ランディックス（2981）

城南エリアを中心に、高額帯の一次取得層や富裕層向けに住宅用不動産を扱うモデルである。用地の仕入れから設計調整、販売までを一気通貫で束ね、紹介やリピート比率の高さが特徴とみる。収益用一棟の開発も併走しつつ、販売部門を内製化して在庫回転の速さを確保。社内データを統合した「目利きAI」により、需要と物件のマッチング精度を高め、回転速度と利益水準というKPIを意識した運営が強みと映る。東京中心の実需に根差すことで、外部環境の変動でも安定性が意識されやすい構造とみる。

2025年3月期は売上高と利益がそろって増加し、収益基盤の厚みが増した印象である。今期入り後の2026年3月期1Qは、前期繰越の収益不動産の引き渡し進捗や成約率の改善が寄与し、増収増益で上々の滑り出しとなった。(経常10.47倍）配当方針は期中の増配を示唆し、年間配当を上方に見直す姿勢が確認できる。中計ではPER水準の見直しに向け、IR発信と流動性向上を掲げる。数値の絶対値よりも在庫回転と利益率のバランスが管理指標であり、期の前半で利益を先行確保できれば通期の安定感が意識されよう。

足元は決算や株主還元の情報を手掛かりに、需給の軽さが意識されやすい局面とみる。個別では出来高の増減と移動平均線の傾きがトレンド認識の要点。日足では25日線付近の攻防が目先の節目になりやすく、週足では過去のもみ合い帯上限が意識されやすい。イベントドリブンの値動きが出た後は、出来高を伴う押し目形成の有無と75日線の位置関係を点検したい。東証グロース上場ゆえ流動性の波が読みにくい場面もあるが、指標面は業績進捗とセットで評価されやすい。短期は節目ごとの分割管理、中期は決算ごとのトレーリング確認が有効とみる。