青山財産ネットワークス（8929）

青山財産ネットワークスは、ひとことで言えば「お金と不動産のお医者さん」。相続や事業承継、不動産活用といった、誰もが頭を抱えるテーマを、ワンストップで解決してくれる存在だ。税理士や司法書士、不動産のプロまでチームを組んで、顧客の資産をまるごと診断。押し売りではなく、顧客の未来設計に寄り添う提案をモットーとしている。資産家や企業オーナーをメイン顧客としつつ、近年は事業承継ニーズの拡大を背景に新規案件が増加。言ってみれば、「財産の総合病院」としての地位を固めつつある会社である。

2025年12月期の上期は売上がおよそ220億円、前年同期比で5％強の増収。営業利益は21億円と20％以上伸び、利益率の改善が光った。背景にあるのは、コンサルティング案件の拡大と不動産関連ビジネスの底堅さ。前期（2024年12月期）も売上450億円、純利益24億円を確保しており、右肩上がりの基調を維持している。通期計画に対する進捗率も順調で、上期時点で経常利益はすでに半分以上を消化。後半戦で大きな失速がなければ、通期計画達成は射程に入っていると言えるだろう。外部環境の変化に左右されつつも、安定成長銘柄のひとつとして存在感を強めている。

株価は直近で2000円台前半を中心に落ち着いている。派手に跳ね上がる動きはないが、下値も堅く、じりじりと基盤を固めている印象だ。PERは20倍前後、PBRは4倍台とやや割高に見えるが、それは成長期待が織り込まれている証拠ともいえる。テクニカル的には25日線と5日線が重なりつつあり（ゴールデンクロス）、次の方向感を探るタイミング。2200円を明確に突破できれば新しいステージに進む可能性があり、一方で1900円割れは警戒シグナルになり得る。出来高は安定しており、投資家が静かに仕込みを進めている雰囲気すら漂っている。