大末建設（1814）

大阪を拠点とする中堅の総合建設会社で、分譲マンションの建設を主力に、商業施設やリニューアル工事も手がけている。得意とするのはマンション施工の豊富な実績で、首都圏や近畿圏を中心に安定的に受注を積み重ねてきた。最近は土木工事や公共案件にも力を入れ、事業の裾野を広げる動きが見える。建設需要は都市部を中心に底堅いが、資材価格や人手不足の影響を受けやすい産業でもあり、効率的な施工管理や協力会社との連携が収益力を左右する。地域密着と信頼を強みに、堅実な成長を続ける会社といえる。

2025年3月期の第1四半期（4～6月期）は経常利益が前年同期比で44％増と好調だった。利益率が改善し、収益体質が強まっていることがうかがえる。前期（2024年3月期）は売上高がおよそ890億円、経常利益は37億円台と堅調に推移したが、今期はやや控えめな33億円台を計画している。もっとも、第1四半期の進捗率はすでに24％に達しており、順調な滑り出しと評価できる。大型のマンション工事や公共案件の有無で業績は変動しやすいが、基盤となる首都圏・近畿圏での安定受注が成長を支えている。資材高や人件費上昇をどう吸収するかが通期の焦点となる。

株価は2000円から2700円の間で推移しており、当面はこの範囲での値動きが続いている。2700円前後は上値の壁として意識され、突破できれば新たな上昇局面に入る可能性がある。逆に2000円付近は下値の目安で、割り込むと売りが加速する恐れがある。出来高は比較的落ち着いており、大きなニュースや受注発表が出ない限り、急激な動きは出にくい。移動平均線の位置や需給動向をにらみつつ、次の方向感を探る展開が続きそうだ。安定感のある値動きが特徴で、中期的にじっくり保有する投資家にとっては検討対象となりやすい銘柄といえる。