アイ・ケイ・ケイホールディングス（2198）

「ウェディング」を主力に据えたホールディングス。ゲストハウス型結婚式場「ララシャンス」など、自社ブランドの式場を全国展開するほか、運営・プロデュース・関連サービスにも手を広げている。式場の設計や顧客体験づくりにこだわる点が差別化要素。式を単なる“イベント”で終わらせない、記憶に残る演出が売りでもある。また、地方・地方都市にも拡大を図る戦略を見せており、首都圏依存からの脱却を試みる姿勢が読み取れる。ただし、景気変動や消費マインドの低下、競合激化が常にリスクとして付きまとう。

2025年10月期第3四半期（2024年11月～2025年7月）は売上高158億円で前年同期比4％減。営業利益は7億円にとどまり前年同期比53％減、経常利益も7億円台で同51％減、最終利益は4億円強と半減した。婚礼事業で施行単価は上がったが、組数が減り人件費負担も増加したことが響いた。一方で介護やフォト事業は増収となり、食品事業も売上を伸ばしたがコスト増で赤字転落。通期計画は売上229億円、営業利益18億円、純利益11億円を据え置きとしており、現状の進捗は慎重な印象。下期にかけて挙式需要の回復や新規施策の効果が問われる局面にある。

株価は足元で700円台を中心に推移している。直近の決算で利益が大きく減ったことで上値は重いが、下値も堅く大きく崩れる様子は見られない。チャートは750円台から850円前後までを大きなレンジとし、その中で方向感を探る展開が続いている。投資家の視線は「業績回復の兆しがいつ表れるか」に集まっており、出来高を伴ってレンジ上限を超えられるかがひとつの試金石だろう。逆に下方に割り込む場合は、需給悪化とともに短期的な売り圧力が強まる可能性がある。安定配当を意識しつつ、中期的な成長ストーリーをどう描くかが株価の方向性を決める。