2026年入り口の日本株は、「日経平均は上がったのに、自分の口座はピンと来ない」という一年を経て、いよいよ底上げに向かう準備段階に入っているように見えます。​
ここからは、大型ハイテクだけではなく、バリュー株・中小型成長株、それに自動車関連を中心とした実需セクターに、じわじわと光が当たりやすい局面を意識しておきたいところです。​


【2025年「恩恵なし相場」の正体】
2025年の日本株は、指数としての日経平均は上方向を維持しつつ、上昇分の多くを一部の値がさハイテク・半導体関連が牽引した構図になっています。​
つまり、アドバンテストやソフトバンクのような限られた銘柄をしっかり持っていた投資家以外にとっては、「史上高値」とニュースが騒ぐ割に、実感の薄い一年になりやすかったと考えられます。​

ただ、その副作用として、多くのバリュー株や中小型株は出遅れ感を抱えたまま年末を迎えており、「割安・放置」の組み合わせが増えてきている印象です。​
この取り残され組が、次の一段高の原資になる可能性を、ここで冷静に拾いに行くかどうかが、2026年前半の差になってきそうです。

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【底上げ相場のカギは「自動車」】
底上げの主役候補として外せないのが、自動車関連です。
EUは当初掲げていたエンジン車の事実上禁止方針を修正し、2035年以降も条件付きでエンジン車販売を認める方向へ舵を切りつつあり、CO2削減目標も「100％減」から「90％減」へと緩める動きが報じられています。​
EV一本足ではなく、多様なパワートレインを認める流れは、ハイブリッドや高効率エンジン技術を得意とする日本勢にとって、追い風になりやすい土壌と言えそうです。​

国内でも、ガソリン税の暫定税率が2025年12月末で廃止されることが決まり、家計負担の軽減やガソリン需要の下支え効果が意識されています。​
この組み合わせにより、内燃機関・HV・周辺部品メーカーに対しては、「縮小産業」という見方一辺倒から、「当面の利益基盤はむしろ安定しやすい」という見直しが入りやすくなってきた印象です。​


【トヨタが示すもの】
トヨタ自動車の株価は、足元で年初来高値を更新する場面が見られ、3300円台後半まで水準を切り上げてきています。​
上場来高値圏を意識させる動きが続いており、「EV偏重から多様なパワートレインへ」という世界の流れを背景に、収益基盤の厚さとキャッシュ創出力が再認識されているように見受けられます。​

重要なのは、トヨタ一社だけが評価されるのではなく、そのサプライチェーン全体への波及です。
完成車メーカーの利益安定性が意識されれば、エンジン・HV部品、素材、物流といった周辺領域にも「配当・バリュエーション・設備投資余力」を軸にした資金循環が広がる可能性があります。​
ここに中小型の成長ストーリーが絡むと、「指数は高値圏だが、個別ではまだ拾える」というパターンが生まれやすいと考えています。


【ここからのスタンス】
会員様に意識していただきたいのは、「もう上がったから終わり」ではなく、「やっと土台が固まり、これから裾野が動き出すかもしれない」という見方です。
日経平均は高値圏ながら、業種・規模別で見ると、まだ割安感や見直し余地が残るゾーンも多く、特に自動車関連バリュー株や、安定キャッシュフローを持つ中小型成長株は、押し目を段階的に拾う戦略が組み立てやすい印象です。​

「2025年は指数だけが上がって終わった」と感じている方ほど、2026年に訪れる底上げ局面は狙いやすいかもしれません。

恩恵がなかったからといって大型ハイテク株へ安易にシフトするのではなく、今年取ってきたスタンスを貫いた投資家ほど、報われやすい相場になると考えております。

整理売りを実行し、キャッシュを握りしめて画面の前で腕組みするだけでなく、置いていかれた一年を、取り返しに行く一年へと変えるお手伝いを、ここから本格的にさせていただきます。


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