はじめまして。
あすなろ投資顧問、コンプライアンス部長です。
宜しくお願いします。今回が初投稿ですね♪

私が弊社に入社したのは、まさに行政当局による検査の最中、
コンプライアンス態勢再構築の責任者として白羽の矢が立ったのが
きっかけでした。

当時の社内状況を精査したところ、問題の核心は特定の元社員に関する
案件にあり、会社全体の健全性は十分に確保できると確信しました。
そこで、すでに着手していた業務改善を体系化し、当局へ提出。
結果として、約5ヶ月間での正式受理という、業界でも異例の早期解決を
達成することができました。

今日に至るまで、その態勢を緩めることなく運営を続けてきたことで、
検査以前よりも遥かに強固な「新生あすなろ」が誕生したと自負しております。

こうした激動の日々を経て、社内的にはようやく落ち着きを取り戻してきました。
しかし、自社の体制が整う一方で、現在、外に目を向けると、社会全体に
はびこる「偽サイト」や「なりすまし広告」による投資詐欺が、看過できない
レベルで深刻化しています。

弊社ではこれまで、投資詐欺の実態を把握し、注意を呼びかけるために、
計16回に亘るアンケートを実施してきました。
驚くべきは、会員の皆様の関心の高さです。回答数は延べ7,499件にものぼり、
その一つひとつに、実際に直面した危機感や、被害に遭われた方の切実な
思いが込められていました。

「制度を整えること」と同じくらい「皆様の生の声を聴き、正しく情報を
伝えること」がいかに重要か。私はこの『7,499』という数字の重みを、
日々痛感しています。

実際、金融庁が公表している「金融サービス利用者相談室」の統計
（2025年7月〜9月期）では、投資商品に関する相談はわずか3か月で5,000件を
超えています。そのうち「詐欺的な勧誘」に関する相談は3,000件以上にのぼり、
多くで実被害が確認されています。
この数字を見ても、投資を装った詐欺が決して他人事ではないことが
分かります。

こうした皆様との密な連携に基づく弊社の啓蒙活動が、楽天ニュース等の
メディアに取り上げられたことは、活動を広げる大きな一歩になると
期待しています。

また、個人的に「あすなろ」の取り組みとして非常に斬新、かつ覚悟を
感じている点があります。それは、一部の販売ページにおいて、あえて
投資詐欺の“あおり”に対する耐性を身につけていただくための構成
（一見すると情報商材のように見えるデザイン）を取り入れている点です。

ブランドイメージを毀損しかねないリスクを負ってでも、「派手な宣伝に
惑わされないリテラシーを持っていただきたい！」という顧客保護を優先した
代表・大石の判断には、コンプライアンスの立場からも強い印象を受けました。
だからこそ、その文言や表現については、これまで以上に丁寧なチェックと、
嘘偽りのない透明性の確保を心がけています。

コンプライアンスという言葉は、ともすると堅苦しく、皆様を縛るものに聞こえる
かもしれません。しかし、本来は「誰かを縛るため」ではなく、お客様と会社の
両方を守るための「盾」であるべきだと考えています。

このコラムも、立派な正論を述べるつもりはなく、年末のご挨拶代わりに、
現場で見てきたこと、感じてきたことなどを共有させていただきました。
これが私にとって最初で最後のコラムになるかもしれませんが、皆様が少しでも
肩の力を抜いて、投資と向き合っていただける一助になれば幸いです。

寒さも本格的になってまいりました。どうぞお身体にお気をつけて、
良い年末年始をお過ごしください。

あすなろ投資顧問 コンプライアンス部長