活況に沸く半導体産業、今後の展望と注目株は?
注目のSQ値は市場推計値で19991.27円。あくまでも推計値なので、大引け前に原稿を書いている私としては正式な値は確認できていません。
清算が済んだ後の日経平均は週末の手仕舞い売りに押されるかたちとなって弱含みましたが、来週この数値を上抜ければいよいよ大台乗せが見られることになりますね。
最近でも3月頃から多くの日経リンク債が組成されていますが、これは過去の日経リンク債のストライク値が20000円に設定されていて大量償還を迎えることになりますので、ここからさらに組成が増える可能性もあると言えます。
いずれにしても、日経平均の20000円超えを達成する意味合いは非常に大きなものになると言えそうです。
またしても20000円を前に行く手を阻まれたように感じですが、そこまで悲観する必要はなさそうです。
先物のヘッジ売りも入っていると思われますので、来週またトライすることがあれば一気にレンジを切り上げる可能性にも期待しておきたいですね。
中でも注目は米国市場でも頭一つ抜けた勢いを見せるNASDAQ、すなわちそれを支える半導体産業です。
半導体はコンピュータや今後の自動運転車の「頭脳」にあたり、データサーバーの高速処理を可能にし、普段手にするスマートフォンなどのネット環境や動画ストリーミング速度を一段と加速させる存在です。
目に見えるところで、ハードデバイスのパソコンやスマートフォンなどのメーカーに注目しがちですが、それらの機能や操作性を支える半導体産業が今や米シリコンバレーの最前線に躍り出てきました。
米国企業のエヌビディアをはじめ各半導体企業が驚異的な決算発表をする中で、日本の半導体株もこれまでと全く異なる企業へと進化してきたことが各決算から浮彫りとなってきました。
かつてないほどの半導体ブームの波が押し寄せ、急増する需要が価格を押し上げるとともに、それらを大量に供給できる企業に追い風が吹いていることがわかります。
やはり世界の潮流の中心テーマは「IoT(Internet of Things)」であり、あらゆるモノがインターネットでつながるIoT社会の実現はますます現実味を帯びてきています。
世界のIoT市場は2014年の約6500億ドルから向こう3年間で約1.7兆ドルへと急拡大することが予測されています。
各国政府もそれらを後押しする規制緩和を進め、これらに対応するための構造改革も必要とされます。
これからはIoTが可能にする生活効率の向上、企業においては生産性向上が成長のカギとなってくる時代と言えるでしょう。
昨日のコラムでもふれたとおり、注目なのはその便利さの反面、個人のプライバシーや重要機密情報がインターネット上で行き交い、今やマネーすらも電子決済の普及が加速する中で、それらをどうやって“守る”のかが重要課題となっています。
直近でも北朝鮮が新興国をはじめ30か国以上の銀行を狙ってサイバー攻撃を仕掛け、8100万ドル(日本円で90億円相当)を手にしたとニュースが流れました。
日本政府もこうしたIoT普及に合わせて「サイバーセキュリティ戦略」を閣議決定し、情報の宝庫であるIoT機器を死守するための対策に乗り出しています。
株式市場でもこれに関連する企業は多数上場しており、今後も折に触れて物色の対象となる可能性があります。
短期的には順張りでデジタルアーツ(2326)や材料発表で一段高したキーウェアソリューションズ(3799)の押し目買い。
一方、中長期的には逆張りのFRONTEO(2158)やテリロジー(3356)などにも妙味が生まれてくるかもしれません。
【 相 場 の 格 言 】
『損せぬ人に儲けなし』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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