政府と企業の成長戦略
昨日は大々的に日経平均の20000円突破を取り上げましたが、だからと言って景色が一変するということにはなりませんよね。
ただ、これまでずっとモヤモヤしてきた投資家心理は一気に晴れやかになったのではないかと感じました。
今後の動きとしては主力株と中小型株の主役交代となるわけではありませんし、物色の矛先においてどちらが優勢になるかの違いと思われます。
主力株の動き出しについていくか、成長株の押し目を狙っていくのか、また判断の分かれ目です。
そういう時は、戻り歩調にあるデジタルアイデンティティ(6533)や、決算上振れで上昇した後に調整もみ合いを続けてきた有沢製作所(5208)などに無難に乗っていくのも一つの方法です。
ただ、市場が急激にリスクオフに傾くことがなければ調整をはさんだ成長株の押し目買いというのは変わらないスタンスで臨むべきと考えます。
昨年のトランプ・ラリーでも主力株の独壇場に見えた中でも成長株の躍進が目覚ましいものが沢山ありました。
材料難の地合いと打って変わって、投資したい先がたくさんあるのは贅沢な悩みですね。
先月末には政府からも「骨太の方針」の原案が明るみにでてきましたが、やはり人口減少や高齢化など中長期の日本経済の課題に取り組む内容となっています。
大きく様変わりしたようには見えませんが、子育てから社会人まで全世代への教育投資の拡充を柱に据え、保育園や幼稚園の費用負担を早期に無償化する方針を明記しています。
来週には閣議決定される手筈となっており、安倍首相は「成長戦略の中心に人材への投資による生産性向上を据える」と言及しています。
子供たちの教育費負担を無償化する取り組みは以前からもありましたし、3月のニュースでは「おおさか維新」が幼稚園〜大学までの完全無償化を目指すと改正案を発表したことが話題になりました。
こうした是が非でも推進してほしい政策とセットで持ち上がるのは財源問題ですが、おそらくは財務省もすんなり首を縦に振ることはないと思われますので、多少難航しそうです。
新たな財源として「子ども保険」や税制改革案が検討されており、民間の学資保険と違い勤労者と事業者から厚生年金など社会保険料を0.1%上乗せして徴収する案となっています。
一方の税制改正は消費税や相続税、所得税を増税して充当する模様です。
どうせなら中に浮いている教育国債の発行を実現して、国債ばかりに頼って運用難に陥っている機関投資家に新たな投資対象先として提供するのも良さそうだと思うのは私だけでしょうか。
また、年金スキームと同様のところで奨学金制度などもありますが、人材投資ファンドなどが立ち上がってきても面白そうです。
日銀が人材投資や設備投資に積極的に取り組む企業支援で組成されたETFなどにも継続投資しているのですから、国を挙げて投資の裾野を拡大していく必要があると思います。
今後も引き続き「人材」をキーワードとした話題は「働き方改革」と合わせて国策の中心に位置づけられてくるのかもしれません。
今週は【ウルトラエクスパンション銘柄】をおすすめしていますが、日経平均の大幅高につながった企業の設備投資、これまでの利益剰余金の使途としてM&A案件の材料があふれてきそうです。
少し地味な企業ですが、私の知り合いが主導で進めたナカバヤシ(7987)という会社もアルバムとか文房具の中小企業でしたが、M&A後は業績も拡大しているようです。直近のところでは株価も強含みで高値更新も期待できるかもしれないですね。
【 相 場 の 格 言 】
『心動けば相場に曲がる』
それでは、明日に希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
執筆:加藤あきら
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