株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2017-09-17 15:00:00

米株くらぶ

ダウ最高値更新とiPhone X(テン)の発表

9月11日週明けの米株式市場は、投資家のリスクオン姿勢が戻って大きく買い戻されて始まった。NYダウは前週末比259ドル高で22000ドル台を回復。翌12日には続伸し、NYダウ、ナスダック指数ともに史上最高値を更新した。ハリケーンによる米経済の影響が見極められたことや北朝鮮情勢への警戒感が後退したことで前週の上値の重い展開から一転した。ハリケーン災害が短期的に7〜9月期の成長率を押し下げるものの、追加利上げ観測が遠のき、自動車販売や家屋の修繕に復興需要が見込まれることから経済への先行き安心感が広がった模様である。
また13日には株式市場が小幅高だった一方、ライアン下院議長による9月25日の週に税制改革案を発表するとの発言を受け、債券市場は10年債が前日比1.11%高の2.195%で引けるなど投資家のリスクオン姿勢を反映して売られた。

今週投資家の注目を集めたのがiPhone発売から10周年を迎えたアップルの新製品発表だ。12日に発表されたiPhone「X(テン*)」 (*ローマ数字の10を表し、エックスではない)は、有機EL画面、ワイヤレス充電を謳い、顔認識による画面のアンロックなどAR(拡張現実)を見据えたカメラ機能に優れ、価格は999ドル。Xより廉価なiPhone 8、iPhone8 プラスやアップルウォッチ・シリーズ3も同時発表した。iPhone Xは10月27日より予約販売、11月3日から出荷と発表されたが、予想より数週間遅れとなることが嫌気され、同日、株価は0.4%安で引けた。

あすなろでは、引き続き政治、地政学リスクによる短期間の調整に注意しつつも先行きの経済成長を見込んだ株高が続くことを予想している。今回は先週に引き続き、アップル関連銘柄の第2弾として、3Dセンサー2銘柄を紹介する。3Dセンサーはスマホに搭載され、赤外線を使ってカメラ画像を立体化した3Dデジタル情報に変換する。

1.ルメンタム・ホールディングス(LITE)[NASDAQ]


 
ルメンタム・ホールディングス(Lumentum Holdings Inc.)は光通信・商業用レーザー事業持株会社。カリフォルニア州に本拠を置く。子会社を通じ、光通信ネットワーク機器や各種レーザーを工業品メーカーやライフサイエンス企業へ提供する。また、フォトニクス技術により家電製品やダイオード光源用の3Dセンサーを製造・販売。日本企業アマダホールディングス(6113)と資本提携。

 足元の業績は中国向けが不振で売上が伸び悩んでいるが、新事業の3Dセンサーがアイフォーンの顔認証やARアプリに使用されるとして投資家の期待を集めている。同社も3Dセンサーの顧客需要は強いとコメントしている。

株価は58.75ドル、(前日比+2.62%)(現地9/13引け)。8月の下げは4〜6月期決算発発表の内容を嫌気したもの。3Dセンサーの数字が反映するまでもう少しの辛抱か。8/9の2017年第4四半期(4〜6月)決算発表では、売上高が前年同期比8%減の222.7百万ドル、純損益は▲54.9百万ドル(前年同期14.3百万ドルから赤転)、基本、希薄化後EPSは共に▲0.90ドル。社債の評価損やリストラ費用などを調整したNon-GAAPの純利益は25.0百万ドル、EPSは0.39ドル。部門別売上高構成比は、光通信機器が84%、レーザーが14%で3Dセンサーは未だ含まれていない。


2.ハイマックス・テクノロジーズ(HIMX)[NASDAQ:ADR]



ハイマックス・テクノロジーズ(奇景光電)は、台湾の半導体メーカー。子会社を通じて、集積回路 (IC) のほか、液晶ディスプレイ (LCD) の設計、製造、販売を手掛ける。主に、TFT(薄膜トランジスタ)液晶ディスプレイパネルの生産に注力するが、足元でスマホ向け3Dセンサーが注目されている。

足元の業績は大型ディスプレイパネルの売上の落ち込みに加え、2〜3年後に本格化する3Dセンサーの需要を見込んだ新規事業投資も利益を押し下げている。ただ、新事業のAR関連製品は、スマホやタブレットのタッチセンサー画面のほかデジタルカメラ向けCMSセンサー、カーナビもあり、同社は多様な分野で顧客の仕様に合わせたソリューションの提供に自信を持っている。

株価は10.41ドル、(前日比-5.45%)(現地9/13引け)。8/3の4〜6月期決算発表では、売上高が前年同期比24.5%減の151.7百万ドル、純損益は▲0.6百万ドル(前年同期19.8百万ドルから赤転)、基本、希薄化後EPS(ADR)は共に▲0.004ドル。

 
<米国株豆知識その11>
投資テーマ:「AR(拡張現実)」とは?
 AR(オーグメンテッド・リアリティ)とは人間が感知する情報にデジタル情報を追加することで現実を「拡張」して表現する技術のこと。スマホでのカメラ画像をもとにした利用は始まったばかり。CGをカメラ映像に取り込んだ「ポケモンGO」が流行ったが、ARはモバイルゲームにとどまらず、eコマースなどでの利用拡大も見込む。3D映像で家具配置がシミュレーションできる「IKEAカタログ」がその一例。アマゾンは多いに恩恵を受けよう。

 ARのアプリ開発も熱を帯び、アップルのiPhoneアプリ開発者向けプラットフォームARKitに対抗し、グーグルは8月末にアンドロイド向けのARCoreを発表した。又、グーグルやアリババが主に出資し、ウェアラブルコンピュータを開発するベンチャーキャピタルの「マジック・リープ」は2018年前半にAR機能搭載のヘッドセットを市場投入予定であり、スマホとの競合が注目されている。

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