株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-02-07 08:45:00

加藤あきらの投資戦略室

緊急全体フォローその8!買い戻し一巡で指数は高値圏に浮上、中小型株の反発は?

昨日は大幅反発となった日経平均、TOPIX。
ともに高値圏に舞い戻り、それぞれ高値更新にトライする動きとなりました。

底入れからわずか4日間のうちに何事も無かったかのように反発を見せた指数の動きに対し、皆さんの持ち株の戻りはいかがでしょうか?

中小型株の指数をみると反発はしていますが、戻り幅が限られていますね。
これが日銀がETF買いをしている主力株とマーケットの現状とを如実に反映していると言えます。

さて、昨晩の欧米株はというと、NYダウ、S&P500は前日のナスダックに続いて高値更新してきました。

これを見るとリスクオンになったのか?と一見思いがちですが、米国でも中小型株のラッセル2000やダウ輸送株は未だ高値更新には至っておりません。
本来ならばリスクオンの場合、先行指標のこれらがまず高値更新してくるはずです。
ということは、まだフルポジションに戻していくことはできませんね。

とはいえ、危機の目安であるVIX指数は低下して15ポイントを割り込んできておりますし、ジャンクボンドも高値圏まであと少しのところにきています。

株式市場の底入れまであと一息といったところは昨日と変わりませんが、本日はどうやら様子見相場となりそうです。

直近の米1月のADP雇用や米1月ISM非製造業PMIなどの各種指標も良好でしたし、その前の米1月ISM製造業の景気指数とあわせても今晩の米雇用統計に対する懸念は薄いはずですが、なぜか一気に突き抜けてリスクオンとはなっていません。

今週に入り、新型コロナ・ウイルスの治療薬が見つかったの云々や中国が大型の景気刺激策発表、そして昨日の日経平均やダウ先物が後場から暴走気味に上昇加速した背景となった、中国が米国からの輸入品関税を引き下げたニュースなど好材料が連発しています。

そもそも2/14に予定されていた米中通商協議の「第1段階」合意に基づく発効がありましたので、おそらく中国はこれを前倒しで発表してきたのではないかと思います。

新型コロナ・ウイルスがもたらした市場リスクに対応したとも言えますが、ここで日経平均やTOPIXが高値更新できなければ、また日経24000円の壁に遮られてしまいます。

ちょっと昨日はやり過ぎた感がありますが、外資系の手口をみるとショートに振っていた玉を大量に買い戻していましたので、買い戻しはこれで一巡。

ここからは本来の実力が試される相場になってくると思われます。
おそらく底入れとは言っても買い方が皆十分に下値を買い込んだ形跡はありませんから、せいぜい事前に余力を空けておいた投資家のみが直近の安値圏を拾うことができたくらいでしょう。

今週で大きく反発しているものを見渡しますと、信越化学(4063)やイビデン(4062)などの半導体関連、そして直近のパナソニック(6752)や昨日のトヨタ(7203)といったエレクトロニクス株、自動車株があります。

これらはすでに決算を通過していますのでやはり買い安心感があって資金を入れやすいといった事情もあるのでしょう。
これらは相場の二・三番手候補ですので、これらが元気なら大きな値崩れの心配は無く、昨秋からの上昇トレンドが続いているということになります。

あとはこれらに本来の機械株などが加わってくるのがベストですが、中国の影響が大きいために今ひとつ反発が鈍いと言えます。

他にはディフェンシブ系で中外製薬(4519)などの医薬品株、これに東京海上(8766)などの損保系金融株と東急不動産(3289)などの不動産株などがあり、そもそもこれらは反発したというよりコロナ・ウイルスショックでも然程影響がありませんでした。

冒頭の皆さんの持ち株の話に戻しますが、おそらくまだ中小型株の戻りは鈍いと思います。

これらは以前から申し上げているとおり、2月中~下旬の市場全体の底入れを待つ必要があるのではないかと考えていますので、慌てる必要はありません。

日経平均などが分かりやすく反発していくと、どうしても前のめりに投資しそうになりますが、あくまでも個別でみていく必要があります。

先程、ここからは相場の実力が試されるという話をしましたが、いち早く決算を通過してきた米国企業は減益予想の市場コンセンサスに対して一転、わずかにも増益に転換して進捗してきているようです。

毎回のように何で米国株は高値更新しているのに日本株は弱いんだと憤りの声が聞こえてきますが、決算を通過した買い安心感というのは非常に大きいものがあります。

おそらく中小型株はこれから決算を迎える企業が多いと思いますので、毎度のことになりますが決算前にはポジションはリスク許容の範囲内にまで調整して持ち越す株数を決めていきましょう。

あと、キャッシュポジション「3割」は地合い改善から多少緩めていくのもよいですが、中小型株はまだです。

少なくとも昨日も申し上げた決算通過の有無やチャート上のテクニカルなどを参考に資金を入れていく銘柄は厳選してまいりましょう。

本日である程度市場センチメントが改善してくるようであれば、来週からは平常運転でよくなってくる可能性もありますので、緊急フォローシリーズも一旦終了で通常のコラムに戻していけるかもしれません。

今回の新型コロナ・ウイルス銘柄のその後を振り返ってみても勉強になる部分が多くあるかと思いますので、落ち着いてきたら時間を作って少しまとめてみようと思います。

本日は決算発表企業が493社とピークを迎えますので、くれぐれも決算プレイには十分な配慮と戦略をもって取り組んでいきましょう。

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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

それでは本日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。


執筆者:加藤あきら

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