株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-03-09 17:00:00

加藤あきらの投資戦略室

今年最大の下げ幅を記録、日経は2018年末以来の20,000円割れでも動かない日銀

今度こそセリング・クライマックスでしょうか?しかし、なかなか底入れが見えてきません。

本日は今年最大の下げ幅を記録しましたが、2/28の最大出来高を越えて、売買代金も東証一部で3.5兆円近くに膨らみました。

3/5のコラムで書いたような、1日の値幅がかなり縮んだ後というのはこうした大きな値動きにつながってしまうんですよね(泣)。

日経平均は2018年末を想起させる20,000円割れで安値更新、さらには日銀のETF買入コストにかなり近いと思われる19,500円割れに到達してきました。

ファンダメンタル、テクニカルそれぞれの下値サポートを切れたことにより、様々に投資スタンスを採る投資家いずれにとっても更なる株価下落に対する警戒感が強まりやすい状況です。

ただ、さすがに指数下落率は高値から20%近い下落幅になっておりますので底入れ水準を探るところになってきます。

これまでも幾度となくショック安がみられましたが、最も近いところから見ておきましょう。

2018/10/2~2018/12/25 米中貿易戦争懸念・・・▲21.1%

2016/4/22~2016/6/24 英国ブレグジット・・・▲14.9%

2015/12/1~2016/1/21 原油安に伴うオイルショック・・・▲20.0%

2015/6/24~2015/9/29 チャイナショック・・・▲18.9%

指数下落率が20%に達してくる水準ではいずれも底入れしてきたということになります。あくまでも過去事例ですので、今回も同様に当てはまるかどうかは分かりません。

分かりませんが、ここまで来ると次に考えることは、「いざ反発!」となった時にどこから戻りが強まるのかといったことになるかと思います。

まずは本日一番の話題と言ってよいのが、為替ドル円、そして原油ですね。

これだけ為替が円高に振れて、日本株もいよいよ買値割れを起こしてマイナス転換した以上、かねてよりお伝えの日銀も動かざるを得ない状況に追い込まれたと言えます。

株式だけでなく、東証REIT指数なども激しく売られていますので、いよいよリスクオフも陰の極みに達してきたと言えるでしょう。

あとはここから金融危機・信用収縮に発展するものなのかどうかというところまできておりますので、各国の金融当局はなりふり構わず対応しなければならなくなっています。

かつてのリーマン・ショックのように後手に回ってしまうと、結局は社会全体で大きなツケを払わされることとなりますので、政治的な駆け引きで国会を空転させている場合ではなく、例えば消費増税10%をゼロにするとか、大型経済対策を打ち出すといった中国も顔負けの政策発動が求められます。

どうやら本日も引け後に財務省・日銀・金融庁が三者会合を行うようですので、今回も【市場動向を注意深く監視していくだけ】だとすれば、投資家の政策期待がまたしても裏切られ、売り方は一層勢いづくこととなるでしょう。

そろそろ具体策をまとめて財政出動とあわせて対応しないと、政策発動前に市場参加者が皆いなくなってしまいますよね。少なくとも政策を匂わせるような観測気球だけでも打ち上げることを期待しておきたいと思います。

おそらく足元だけを見てしまうと、頭の中に恐怖感がよぎるのは仕方ないことだと思います。

しかし、上記の20%近いショック安の後はいずれも金融政策が市場期待を復活させてきましたし、高値を何度も更新してきたわけです。

すでに本日の下げは【一連のコロナショックとは別の要因】でパニック売りが誘発されており、市場の景色は大きく変わってきました。

ある意味「コロナ離れ」とも言えますので、コロナウイルスで売られたJAL(9201)、ANA(9202)や急激な金利低下でも売られた東急不動産HD(3289)などを狙っておきたいですね。

くれぐれも銀行株がいくらバーゲンセールでも金利低下局面は続いていますので、変に手を出すことの無いように気をつけておきましょう。


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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
 彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
(「ゾーン 相場心理学入門」より)

それでは来週も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
JAL(9201)
東急不動産HD(3289)

執筆者:加藤あきら

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