株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2020-03-23 17:00:00

加藤あきらの投資戦略室

米国市場が調整強める中、日本株は強靭な足腰で下げ渋り

3連休明けの日本市場はソフトバンク(9984)のストップ高特典が付いてきて反発、おそらく前場段階ではTOPIXマイナスでしたから日銀も買ってきているのでしょう。

先週末の金曜日は日本が休場の中で海外が一斉高してましたから、ザラ場中にアジア株が軟調でも底堅い動きを続けてくれました。

この週末に米国が更なる経済対策で2兆ドル規模への増額を発表、今晩にもトランプ米政権と米FRBの連携を強める意向が明らかになったことで政策期待が一段と高まってきています。

肝心の日本はというと、相変わらず“動かざること山の如し”ですが、経済対策としては30兆円超の規模で検討されているといった話が出始めました。

今か今かと待ち遠しい限りですが、これと並行して東京オリンピック開催の是非についても議論が活発化してきました。

当初は頑として開催を強行する意向を示していた政府も、現実問題として延期か中止かの選択肢を迫られるようになったことで、明らかにトーンが下がってきました。

諸外国からも中止もしくは延期を求める声が強まっており、カナダは延期しないならボイコット、オーストラリアなども1年後への延期を前提とした動きを進めているといったニュースが流れています。

この週末にIOC(国際オリンピック委員会)は緊急の電話会議を開いて、4週間以内に結論を出すとしながらも、実際のところWHO(世界保健機関)に判断を仰いだり、当のWHOは主催国に判断を委ねるとしてボールを投げ返したりと、最終的な決定権を巡っては「リーダー不在」が浮き彫りとなる結果になっています。

要するに延期でも中止でもそれにかかるコスト負担を誰が負うのかといった経済的理由が根底にあってまとまらず、これに関しては結局のところ東京都もしくは日本が払わされることになるとみられます。

経済対策の意思決定の遅れが際立っているところに、このオリンピック問題も絡み合い、財政出動の規模としていったいいくらが妥当なのか、複雑化してしまっているのが現状と言えるでしょう。

ある意味、海外では次々とウイルス感染拡大から厳戒態勢のロックダウン(都市封鎖)措置が採られている中、日本は外出禁止を含めた非常事態宣言を見送っているのが現状であり、危機感の面で明らかに温度差があります。

投資家都合だけで言えば、新型コロナウイルスを巡る日本政府の対応としては以下のプロセスがセンセーショナルで市場インパクトが大きくなると考えられます。

『1.先日成立した「緊急事態宣言」を発令』
『2.東京オリンピックの開催中止を宣言』
『3.枠にとらわれない大型経済対策を大々的に発表』

これは考え得る最も衝撃的なアク抜けパターンとなりましょうが、いずれも高いハードルが立ちはだかっていて、最悪の場合、東京オリンピックの是非を判断する期限として4週間引っ張られる恐れがあるということになります。

各国がこぞってなりふり構わずの経済対策を総動員している中、金融市場が落ち着きを取り戻せない背景には象徴的な日本の政策に不透明感が残されていることが遠因と言えるでしょう。

しかし、日本の株式市場ではすでに底入れが完了していることはこれまでも述べてきたとおりで、新安値銘柄数は着実に減少してきています。

自動車・エレクトロニクスは以前に指摘したとおりで、本日ようやくにしてファナック(6954)などが下値を切り上げました。

内需系の大成建設(1801)や野村不動産(3231)などは致し方ない面はあるにしても、あとは時間の問題になってきたとの認識でよいでしょう。

大きく売られた銘柄というのは、逆の見方をすれば閉鎖に追い込まれているヘッジファンドなどがギリギリまで保有していた銘柄である可能性も含め、リバウンドが大きく期待できます。

本日の大陽日酸(4091)は大型株にもかかわらず前日比で20%近い反発をみせ、あわやストップ高か?というように跳ね上がりました。

おそらくこうした現象が各所でみられるようになってきていると言え、中小型株などはそんなのがゴロゴロしているといって良いかもしれません。

まだ当たり外れの域を出ないかもしれませんが、これまで同様に5日移動平均線を抜けてきたものから狙っていくという戦略の下でスクリーニングをかけていくと良いかと思います。

主だったところで、ザインエレクトロニクス(6769)やネオス(3627)、イマジニア(4644)、ULSグループ(3798)などですが、自己資本比率に目を瞑ればブイ・テクノロジー(7717)やユナイテッドアローズ(7606)などまで対象を広げることもできますね。

米国株などの海外市場も気にされている方は多いかと思いますが、先週5000ドル近く下げたNYダウに比べて日経平均の下げ幅は1000円未満、TOPIXにいたっては上昇転換しているのが事実です。

日本株の「米国株放れ」は強まっており、個別株でみれば更に「指数放れ」している状況ですから、心構えとして強気転換していきたいですね。

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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
 あなたは富を築くことができる。』
(マーク・リッチー)

『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
 彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
(「ゾーン 相場心理学入門」より)

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
大成建設(1801)
野村不動産(3231)
ネオス(3627)
イマジニア(4644)
ULSグループ(3798)
ブイ・テクノロジー(7717)
ユナイテッドアローズ(7606)

執筆者:加藤あきら

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