直近IPO株がバブル相場さながらに狂乱の宴だった昨日までとは一転、本日は一斉に利益確定売りでナイアガラさながらとなっています。

資本市場では原油安でWTI原油5月限が前代未聞のマイナスを記録するなど、異常事態が取り沙汰されていますね。

原油の需要が～、在庫が～とありますが、世界情勢で懸念すべき事項としては地政学リスクの再燃が挙げられます。

米国はWTI原油が低下傾向を辿った1月以降、とくに3月頃からは戦略的な備蓄に動いて戦略的に貯蔵していました。

よって、在庫は以前から積み増してきていたために、中東の協調減産のゆくえなど関係なく在庫過剰になった可能性があると言えるでしょう。

また、この原油安にちなんでさすがに株安誘発のリスクオフといった地合いですが、よくよく見てみると直近で無双状態に上がっていた新興株・IPO株などが利益確定売りされただけです。

相変わらず資金は株式市場内を縦横無尽に駆け巡っており、向かう先が今度は防衛関連に移ってきたというだけでテーマの入れ替わりとみておくとよいかもしれません。

速報ベースでは北朝鮮の金正恩委員長が手術を受けて半島情勢が不透明になったとの解説ですが、本来なら地政学リスク後退と映るようなニュースです。

ところが防衛関連の石川製作所（6208）はじめ、細谷火工（4274）、豊和工業（6203）などが一斉高したわけです。

いちおうコロナ・マスク三銃士（？）の興研（7963）や重松製作所（7980）、日本アビオニクス（6946）なども反応していましたが、これらはウイルス対策として以前から物色の手が入っていました。

今となっては防衛関連というよりむしろコロナウイルス関連としての色合いが濃くなっていますね。

こんなタイミングで金正恩氏の体調不安などが出てくること自体が摩訶不思議で、それを理由に市場が売られるとすることも意味不明です。そもそも報道の信ぴょう性などあったものではありません。

しかしながら、改めてマーケットの動きを見れば今後の半島情勢の雲行きが怪しくなってくることを如実に示しています。

ここから1か月間程度はコロナウイルスの収束に向けた動きと合わせて日本への難民流入の動向にも目を光らせておく必要があるでしょう。

おそらくその中で意外な投資テーマが浮上してくることもあるかと思いますので、短期的には引き続きテーマ性を軸にした銘柄選びを心がけていくとよいでしょう。

地合いの影響も考慮に入れる必要がありますが、タカラバイオ（4974）がコロナワクチン開発で強気資金が向かったほか、相変わらず人気の高いアンジェス（4563）なども高値圏で1000円の大台に乗せる場面がありました。

直近IPO株で潤った個人投資家の懐具合にもよるかと思いますが、利食いを済ませた後の展開として、これから日柄調整を終えたバイオ株などにも資金が向かってくる可能性も十分にありますね。

かつて人気を博したオンコリスバイオ（4588）なども近いうちに動意づいてくることがあるかもしれません。

まもなく日本はゴールデンウィークですし、決算発表も相次いできますので、市場はより短期資金が入り乱れるマネーゲームと化してくるかと思います。

大型連休前に掴まって逃げられなくなるくらいの投資家ならば黙って静観しているのが無難かと思われますが、原油安だろうと、地政学リスクだろうと、株高シナリオとくに日本株の上昇シナリオはより強まってきています。

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こういった投資家の動揺を誘うような報道が出てくる時こそ、しっかりとリスク管理して立ち向かっていきたいですね。

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【 相 場 の 格 言 】
『人が冷静さを失っているとき、あなたが冷静さを失わなければ、
　あなたは富を築くことができる。』
（マーク・リッチー）

『最高のトレーダーは多くの独特な考え方をしている。
　彼らはその一つとして、恐れずにトレードを実行し、また同時に軽率なトレードと恐怖心によるミスを防ぐ心構えを習得している』
（「ゾーン　相場心理学入門」より）

それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。

【本日ご紹介した銘柄】
石川製作所（6208）
細谷火工（4274）
豊和工業（6203）
重松製作所（7980）
日本アビオニクス（6946）
タカラバイオ（4974）
オンコリスバイオ（4588）

執筆者：加藤あきら