【相場を観測する】チャートを用いて詳しく解説します!(第7弾)
~相場の観測~
【週足参照】 =基調維持も騰勢鈍化で反動安値幅に留意=
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前回「上値を試す経過」(記:2020/4/18)では以下のように述べた。
(前回の『着眼大局着手小局No.6』はこちら)
「3月19日の(V)16,552円を安値に急伸し、値幅3,086円の大幅な反動高が出現した。半値戻し水準20,318円には及ばないものの前値幅2,046円(S~T)を上回ったことから、上げ幅が拡大しやすい経過となっている。上げ幅としては、①3,152円(R~S)、②3,419円(Q~R)、③3,507円(K~L)、④3,653円(L~O)、⑤3,822円(T~U)、⑥4,928円(R~U)、⑦5,115円(O~R)、⑧5,916円(A~F)などがある。
現在は安値(Ⅴ)16,552円を基点とする戻り基調から高値を探る経過となっており、以下の上値水準が挙げられる。
(1)19,704円=V+(S-R)
(2)19,971円=V+(Q-R)
(3)20,059円=V+(K-L)
(4)20,205円=V+(O-L)
(※)20,318円=半値戻り水準(U~V)
(5)20,347円=V+(U-T)
ただ、上げ幅の拡大も値幅3,152円(R~S)および3,822円(T~U)は一旦騰勢が鈍化しやすいい水準とみられ売買高の増加が重要となる。これらの水準を突破するとさらに上げ幅の拡大につながる可能性がある。」とした。
実際には、小休止(騰勢鈍化)を挟んで順次バランス値をクリアし上値を追った。
また、半値戻し20,317円をクリアしたほか、安値(Ⅴ)16,552円から直近高値20,390円までの上げ幅が3,838円と前上げ幅3,822円(T~U)に相当する水準20,347円とわずかに上回った。よって、現在は上げ幅の拡大につながりやい経過となっており、前回と同様に高値(O)24,270円を基点とする下げ三波動形成後の第4波動(O~R~U~V~?)が進行している。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(※)20,749円:マド埋め(3/6終値)
(1)20,812円:日足参照 ①の水準
(2)21,274円:日足参照 ②の水準
(3)21,480円=V+(U-R)
(4)21,667円=V+(O-R)
(5)22,341円=V+(K-H)
(6)22,468円=V+(A-F)
ただ、上げ基調も騰勢鈍化と値幅のバランス(T~U≒Ⅴ~W)で、一旦、影響を受ける可能性もあり反動安が生じた場合の値幅(日足の項で記述)には留意したい。
【日足参照】 =基調維持もウエッジ型収れんで動意接近へ=
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日足では前回「短期基調の維持が重要」(記:2020/4/21)と、以下のように述べた。
「現在は大幅な反動高2,994円(D~E)を入れたあと高値(G)19,897円へ進み、下値切り上げ(Ⅾ<F)波動を形成したことからこれまでの下げ(2月から3月)に対する戻りの高値を試す経過となり「能動的」な上値計算値を求めることが可能となった。
能動面からの上値は、以下の水準となる。
(1)20,812円=F+(E-D)
(2)21,274円=E+(E-F)
(3)22,540円=E+(E-D)
ただ、上げ基調の継続には「下値切り上げ」の維持が条件となることから、今後に生じる反動安値幅が重要となる。」とした。
実際には、高値(G)19,897円のあと安値(H)19,137円、高値(I)20,193円、安値(J)19,619円、高値(K)20,390円と推移し、高値と安値をともに切り上げた。
ただ、切り上げ幅は高値が351円(E→G)、296円(G→I)、197円(I→K)と次第に縮小した。また、安値も1,319円(F→H)、482円(H→J)と縮小したことから「斜傾三角形」(上昇ウエッジ:上昇クサビ型)の形成が進展(収れん)している。
よって、現在は動意が急接近するなか、高値(K)20,390円と安値(J)19,619円の何れをブレイクするかが焦点となっている。高値を上回ると上値は前述(週足の項)の水準となる。
ただ、下落の危うさも内在していることから、安値(J)19,619円を下回ると前安値(H)19,137円ないし安値(F)17,818円の維持が焦点となるほか、反動安値幅では、①902円(B~C) ②1,112円(A~B) ③1,728円(E~F)の範囲内に収まることが重要となる。また、③1,728円を上回るとさらなる値幅の拡大につながりやすくなる。
その場合、下値は以下の水準が挙げられる。 ※高値(K)20,390円(仮定)
(1)19,630円=K-(G-H)
(2)19,488円=K-(C-B)
(3)19,278円=K-(A―B)
(4)19,124円=K-(E―F)
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【先人からの一言】 ~逆もまた真なり~ ★参照 能活チャート!!
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物事、身につける。または上達する手段として、まず知ることを最優先する。その場合、手っ取り早く・・・
①人から教えてもらう!
②本を読む! など、より知識を得ようとする。
しかし、中々簡単に身につけ難いものである。達人曰く、「実践・経験によって少しずつ慣れる方がより身につけやすいぞ!」と。
“習うより 慣れよ”である。これは非常に大事なことではある。
だが、「慣れた頃。慣れ過ぎ。」は、これまで知っていたことや分かっていたものが見失われ“注意の意識低下”や“思考停止”の状態に陥りもので、非常に怖く一番恐ろしい瞬間を迎えることになる。
チャートも然り!である。
通常、上昇相場は「右肩上がり」に、下落相場は「右肩下がり」にチャートは描かれる。
チャートは知っている! 見慣れている! 方々にも普段中々目にする機会が少ない、必見「逆さチャート」を見て相場を一考するのもまた良し。
普段とは違う視界で、きっと何か“気付きや発見”があればさらに良し!と・・・
向上心とチャート(相場)に感心を持ち続け、「昨日より今日、今日より明日へ」と進化する投資家を目指して歩みたいものですが・・・如何かなものか。
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【フォーカス】 ~株価と売買高の関係(逆ウオッチ曲線)~
株価と売買高の関係を視覚的にとらえ見やすくした指標「逆ウオッチ曲線」がある。
これは株価と売買高を同じ期間の10日平均や20日平均など平滑し、短期的なノイズを除去した数値を利用する。
縦軸に株価、横軸を売買高として、株価と売買高の交点を時系列に直線で結んでいく。
その線は、時計の針の右回りに対し左回りの曲線が描かれることが多いため「逆ウオッチ曲線」と称されている。
株価が安値圏からボトムアウトする前後から売買高が増加する傾向があることから、座標の交点は右肩上がりとなる。
反面、株価の下落局面では売買高も減少する傾向があることから交点は左肩下がりとなりやすい特徴がある。
このように、逆ウオッチ曲線の進行方向が相場の局面を表す。
★参照 逆ウオッチ曲線図
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見方は以下の通り。
①陽転信号:売買高が増加し、株価が横ばいまたは底をついた局面
②買い信号:売買高が増加し、株価も上昇に転じた局面
③買い一貫:売買高に大きな変化はなく、株価だけが上昇していく局面
④買い見送り:売買高が減少に転じ、株価だけが上昇していく局面
⑤警戒信号:売買高が減少し、株価が頭打ちになった局面
⑥売り信号:売買高が減少し、株価も下落に転じる局面
⑦売り一貫:売買高の減少が止まり、株価が急落など下落を続ける局面
⑧売り見送り:株価がさらに下落を続け、売買高は増加し始める局面
さて、現局面での判断はどうであろうか・・・
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【備考】~NYダウ平均株価&ナスダック指数について~
★NYダウ(日足)参照
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=騰勢鈍化で危うさ内包か=
前回は「短期基調の維持が重要」として以下のように述べた。
「高値(G)22,552ドルを上回ったことから安値(F<H)を切り上げる三波動(F~G~H~I?)を形成した。また、安値(F)18,591ドルから直近高値(I)24,242ドルまでの上げ幅は5,651ドルと拡大したことから上値を試す経過となり、以下の上値水準が挙げられる。
(1)24,802ドル=F+6,211ドル
(2)24,904ドル=H+(G-F)
ただ、戻りを試す経過も反動安値幅が重要となる。基調を維持するには直近の下げ幅1,609ドル程度に収まることが大事。上回と値幅の拡大につながりやすくなる。値幅は、1,295ドル、1,609ドル(G~H)、1,681ドル(B~C)、1,985ドル(D~E)などが挙げられる。」とした。
実際には、高値(I)24,242ドルからの反落は、安値(J)23,018ドルを経て切り返し高値(K)24,633ドルと上伸した。
ただ、前高値(I)24,242ドルからの高値更新値幅がわずか391ドル(I~K)と前切り上げ値幅1,690ドル(G~I)から縮小し急速に騰勢が鈍化した。
その後、安値(L)23,664ドル、高値(M)24,331ドルを経て直近の安値(N)23,247ドルまで小さな下げ三波動(K~L~M~N)の形成している。高値(K)24,633ドルからの下げ幅1,386ドル(K~N)は、前値幅1,224ドル(I~J)および1,295ドル(1/31~A)を一気に上回った。
よって、現在は安値(J)23,018円の維持が重要となっている。また、同安値(J)を下回ると下げ幅の拡大につながりやすくやや危うさがある経過となっている。
下落値幅としてはチャート上に記しているが、①1,609ドル(G~H)、②1,681ドル(B~C)、③1,985ドル(D~E)、④3,299ドル(H~I)などが挙げられるほか。3,961ドル、4,142ドルがある。
上記値幅に見合う下値水準は以下の通りとなる。 ※高値(K)24,633円(仮定)
(1)23,024ドル (2)22,952ドル (3)22,648ドル
(4)21,334ドル (5)20,672ドル (6)20,491ドル
一方、下落値幅が1,609ドル内(G~H)に収まって、早期に切り返し高値(K)24,633ドルを上回ると安値(F)18,591ドルを基点とする上げ基調の継続となることから、再度、高値をうかがう経過となる。
その場合、上値は以下の水準が挙げられる。
(1)24,802ドル=D+6,211ドル(12/6安値~15/5高値までの値幅)
(2)24,904ドル=H+(G-F)
(3)25,770ドル=G+(G-H)×2
(4)26,208ドル=D+7,617ドル(07/10高値~09/3安値までの値幅)
(5)26,350ドル=D+7,759ドル(18/12安値~20/2高値までの値幅)
(6)26,513ドル=G+(G-F)
(7)27,379ドル=G+(G-H)×3
★ナスダック(日足参照)
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=トレンド継続も下げ幅拡大に留意=
安値(F)6,860pを基点とする上げは、高値(G)7,797p~高値(M)9,192pまで7波動形成となっている。
また、この間の反動安値幅は、437p(G~H)、387p(I~J)、310p(K~L)と順次縮小する上げ基調となった。
ただ、高値(M)9,192pのあと安値(N)8,863pまでの下げ幅が329pとやや拡大している。
よって、現在は高値(M)9,192Pからの下げが安値(F)6,860P以降最大の下げ幅437P(G~H)に見合う水準8,755pの維持が重要となっているが、同水準を下回ると下げ幅の拡大につながりやすく下値を探る可能性が高まる。
その場合、主な下値は以下の水準が挙げられる。 ※高値(M)9,192pを仮定
(1)8,755p=M-(G-H)
(2)8,519p=M-(E-D)
(3)8,255p=M-(G-F)
(4)8,016p=L-(M-L)
(5)8,178p=M-(E-F)
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新型コロナウィルスの感染症拡散事態が一日も早く終息し、平穏な生活を取り戻せるよう心から願っております。気を緩めず第2波に備えましょう! オタガイニ(*^-^)/\(^-^*)ガンバロー!
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執筆:長森伸行
≪執筆者略歴≫
元山一證券投資情報部次長・国内で「一目均衡表」チヤート分析の第一人者。元日本テクニカルアナリスト協会セミナー講師で「一目均衡表」を担当。証券業会に50年間携わった重鎮、自立して儲けられる投資家のインストラクター的な存在。
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