半導体株が絶好調、医薬品株は利食いでグロース株にも明暗
治験開始の材料を発表したアンジェス(4563)の値動きが如実にそれを表していると言えますが、全体でも日経平均は今朝の日銀短観発表をうけて買い手控えが鮮明になり反落しました。
前場は比較的もみ合っていたところ、決定打は米国のダウ先物がコロナ感染拡大と一昨日に爆上げしたボーイングの情報提供が不十分であるとの報道から下げ幅を広げたことが要因とされているようです。
ことの本質で言うと香港の国家安全法成立が大きいと思いますが、中国の富裕層は香港やシンガポールから資本市場にアクセスしていたルートが遮断される中で、現金化を急ぎながら本土から国外への資産移転に大忙しの状況です。
バイオ株はじめこれまでさかんに物色されてきたマザーズ銘柄が次々と滑落する一方で、半導体株は堅調です。
東京エレクトロン(8035)は5%近く上昇してさらに上値を伸ばし、マルマエ(6264)も昨日の決算発表をうけて年初来高値を更新してきました。
あすなろ銘柄でも半導体関連株が堅調に上値を伸ばしてきたので利益確定のフォローを配信しましたが、利食いは今週中にしっかりとしておきましょう。
と言いますのも、半導体セクターと並んでグロースに位置付けられる医薬品株には利食い売りが出始めています。
月末月初は機関投資家のファンドマネージャーが自身の損益を調整し、下半期の売買を精神的に優位に進めるために益出ししてスタートしたいとの思惑も絡みますので、この時期はそうしたアノマリーが発生しやすいことも念頭に置いておきましょう。
あとは気になるニュースで、国内の大規模水害に対し損保協会が業界共同で損害調査を行うプロジェクトチームを検討しているとありました。
中国でも大変な大洪水に見舞われてこれも習近平政権を揺るがす要因にもなっているわけですが、今年も大型台風や地震など脅威的な自然災害には警戒しておかなくてはなりません。
気象庁では南海トラフ沿いの地殻変動に対する監視強化、さらに津波の警戒や浅間山などの噴火警戒レベルを引き上げる警戒を次々と発しています。
国内外の新型コロナ状況もさることながら、マーケットでは予期せぬ角度からのリスクにも警戒が必要でしょう。
海洋土木では高松コンストラクションG(1762)、不動テトラ(1813)、東亜建設工業(1885)、若築建設(1888)、東洋建設(1890)、五洋建設(1893)などがあります。
火山の噴火はそれこそ何で対策すればよいのか見当もつきませんが、ドローンなどの監視機器や宇宙衛星などの観測機器が活躍するのでしょうか。
水害対策の関連銘柄もかなり多くてここではカバーしきれませんが、こうして全体が軟調な時に現物で少数保有して監視しておくのが良いお取り組みにつながるかと思います。
マーケットの心得としては株式投資の本でいくら勉強しても腑に落ちない値動きをするもので、ニュースなども「上げて落とす」「落として上げる」といった仕掛けの口実に利用されることが非常に多いのです。
しかしながら、こうして堅調な半導体株のように投資家の期待が膨らむ局面はやってきますので、不安定な局面でこそ冷静に仕込み場を探っていきましょう。
おそらくこのようなレンジ相場、トレンドレスの相場は個人投資家が最もやられやすい局面になりますので、短期投資家などは来週まで一旦手を休ませて不用意に仕掛けに乗ろうとしない方が賢明かと思われます。
【 相 場 の 格 言 】
『悲観の極みは最高の買い時であり 、楽観の極みは最高の売り時である』
(ジョン・テンプルトン)
それでは明日も希望をつないで慎重にかつ大胆に取り組んでまいりましょう。
【本日ご紹介した銘柄】
高松コンストラクションG(1762)
東亜建設工業(1885)
若築建設(1888)
東洋建設(1890)
五洋建設(1893)
執筆者:加藤あきら
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