新興市場開拓の成果を見せつける
主に自動旋盤を手掛ける企業。自動旋盤とは棒状材料等の表面を設定した加工径に基づいて回転して削り上げ、同一サイズの部材を自動的に切り出していく工作機械のことで、同社は小型自動旋盤においてはトップシェアを誇る。その秘密は独自のガイドプッシュ主軸に基づくもので、高精度加工により30mmと極めて短い残材の実現に成功した。なお中長期経営方針では設備投資が盛んで成長著しい中国・東南アジア・インド等の新興市場開拓に注力するとしている。
1/29発表の3Q決算(累計)では、売上高が約425億円(前年同期比8.4%増)、営業利益が約58億円(同47%増)で着地。上半期に続き世界的な新型コロナウイルスの感染拡大による影響で国内や欧米市場に調整局面が見られたものの、中国市場では回復が見られたことから増収・増益となっている。なお売上収益(3Q累計)のうち約66%は中国市場が占めており、製品別では自動旋盤の伸びが著しい。また受注高は20年1月をボトムに上昇基調にある。
株価は昨年7/30発表の決算を受けて動意付き、所々の押し目から反発する形で徐々に下値を切り上げてきている。昨年11/30以降は需給の悪化により下落し、25日移動平均線を挟んでもみ合いつつも1/6に自己株式の取得状況に関する報道を受け強い切り返しを見せ、1/26には高値1899円を付ける。その後は高値圏の利食い圧力に押されると同時に1/29の決算発表後の売りもあり、3/4には安値1452円を付けた。その後は需給改善に伴う強い戻しを披露し1700円台の水準まで戻して見せた。中国市場の急速な需要増を追い風に、今後も力強い動きを見せて欲しい。
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