【緊急フォロー】日経平均1000円下げにどう対処すべきか?
本日の日経平均は一時1000円を超える大幅な下げとなっております。
しかしながら、市場関係者の反応は概ね冷静で、パニック感はほぼ全く感じられません。
まず最初に、「過敏に反応する必要無し」と申し上げたいと存じます。
この1000円下げに際して緊急に取るべき投資行動は、今のところございません、と申し上げても宜しいかと思います。
今のところ緊急性が無いと考えている向きが多いからこそ、市場関係者の反応は概ね冷静なのでしょう。
まず、チャート上では、高値が緩やかながらも切り下がり続け、散発的な自律反発があっても、下げに対する値幅を上回る上昇幅が出ない事は既に広く認識されていました。
しかしながら、例えば、日経平均の日足チャートでは75日移動平均線をなかなか明確に上抜けない一方、週足チャートでは未だ13週線、26週線、52週線は順当に並んだまま、月足チャートに至っては未だキレイな上昇トレンドの中で足元の指数推移は9か月平均線の上にあります。
ゆえに、短期では崩れかけているトレンドも、「中長期的に見れば未だ上昇トレンド内での短期調整」、という見方ができましょう。
この下落を受けて、日銀が買い出動するかどうかについては、市場関係者の間ではTOPIXが1850を下回らない限り出動はないであろうという見方が多い模様です。
4月21日には700億円の買い出動が観測されましたが、5月半ばの下落の際には出動が無く、今回も日銀の買い出動に期待する声はほとんど聞こえてきません。
既に「予兆」らしき傾向が観測されていた点も、市場関係者の間で動揺が広がらないひとつの要因でありましょう。
※2021年6月15日アナリスト木村の銘柄研究部※
VIX指数、日経VIの低下・停滞、空売り比率の低下傾向と、「上昇トレンドの一服感」を暗示するような指標は、既に先週から取り沙汰されておりました。
「気持ちが悪い」、「体感が良くない」と思われていたタイミング、また、前述のように、戻り局面でありながら戻り切れない事を示唆するようなチャート上のポイントで、売り方が売りを仕掛けると、このような大幅下げとなる事を、市場関係者は「学習効果」として認識している為に冷静、とも言えるかと思います。
慌てて売り急ぐ緊急性は無い一方、買い場とは考えてはおりますものの、本日の下げ局面で「突っ込み買い」的な買いを狙うのも早計かと存じます。
買い目線の会員様は、少なくともまずは、自律反発が確認出来てから、出来れば日経平均の28500円どころへの切り返しが確認出来てから、というスタンスをご認識ください。
「指数の戻り」だけを捉えようとするならば、個別に保有されている銘柄群ではなく、先物かもしくは指数系のETF(1570など)でのポートフォリオ・ポジション調整をお勧め致します。
5月の安値27385円がサポートされなければ、かつ、28500円どころへの切り返しが確認できなければ、自律反発を見越しての買いにもリスクは伴う為に、一両日中に取り売るべき投資行動は「無し」とご認識いただきたいと存じます。
執筆:木村泰章
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