7%という目安
本日は、株価推移の上で「前日比7%上昇・下落」というところが、トレーディングセオリー的には、「一旦の抵抗」の「目安」となる、という話をご紹介申し上げます。
「いや、初めて聞いたよ」、という反応を会員様から幾つか頂戴しておりますので、日々のお取り組みの際に、なんとなくでも意識していただければ、意外と頷ける「目安」としてお使いいただけるかもしれません。
まず、「トレーディングセオリー」というのは、唯一絶対の正解などではなく、単なる「傾向」に基づいた「目安」でしか無い事を始めにご理解・ご認識ください。
例えば、「ナンピン買い」ですが、既に保有している銘柄が下落した際に、どの水準を「ナンピン買い」水準と見るかについては、諸説あり、かつ、個人個人のリスク許容度や投資資産の規模等によって変化してきます。
しかしながら、「大体の傾向」としては保有している株の取得コストから、7%~10%下落した水準を、「ナンピン買い」水準と見る事が一般的なセオリーと目されています。
さらには、昨今よく目に耳にする「アルゴリズムトレード」や、AI等による「自動トレード」は、「概ね」、前日比7%の株価推移が確認された時点で、「逆張り」トレードを行うケースが多いとも言われております。
では、これらの「7%」という目安は、どこから出てきたのかというと、これも諸説あるものの、私自身はToSTNeT-1の単一銘柄取引の値幅制限に起因しているという説を支持しています。
▼日本取引所グループのToSTNeT取引に関する説明ページ
https://www.jpx.co.jp/equities/trading/tostnet/01.html
やや乱暴なご説明となり恐縮ですが、つまるところ日本取引所グループは、立会市場の直近値から上下7%を超える値動きを、「通常時」の値動きではないと認識している可能性があり、逆説的に、前日比で7%を超える株価上昇や株価下落は、「暴」落、「暴」騰、に該当すると考える事もできましょう。
もちろん、STOP高、STOP安という値幅制限もあるので、「STOP」こそが「暴」落、「暴」騰、だという説にも頷けますが、7%を超えてくると、少なくとも「通常」ではない、「異常」ゾーンだという見方で「概ね」宜しいように考える次第です。
となりますと、「7%」を「基準」として、下記のようなトレーディングセオリーが生まれる事となります。
【日中の値動きが前日比で7%を超えても上昇・下落が続く際には、「逆張り」も「順張りも」一旦避けて、株価の落ち付きどころや方向感が定まるまで、売り買い共にいかなる投資行動も避ける】
あくまでも前日比7%超という値動きが「通常ではない」という定義に起因するものであり、かつ、投資家によってその受け止め方は様々ではありますが、「目安」として参考にしていただければ幸いです。
執筆:木村泰章
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