火山の噴火予知と株価予測はどちらが難しいのか?
本日のお昼前に阿蘇山が噴火し、その様子を報道するLive映像は衝撃的でした。
気象庁は、噴火警戒レベルを入山規制を示す「3」に引き上げた一方、さらに大きな噴火が起こる可能性について、「マグマの上昇を示す明瞭な地殻変動はなく、現時点では考えにくい」とした上で「避難までは必要ない」としています。
付近にお住いの方々のご無事をお祈り申し上げます。
多分に不謹慎ながら、この報道にふれ、私が一番最初に連想した事は、この噴火が個別企業の株価に影響を及ぼす可能性についてでした。
噴火の影響により生産活動や消費行動に影響が出れば、それは当然ながら株価の推移にも何らかの作用をもたらす可能性があります。
今のところ、直接的な影響を受けそうな企業は無いものと考えておりますが、時間経過とともに、ひょっとすると思いもよらぬ影響が出てくるかもしれません。
なんでも知っている弊社のまんもす藤井。の弁によれば、以前別件の噴火が観測された際には、火山灰が降るからという連想から、イエローハット(9882)が買われたという経緯もあったそうです。いわゆる「特需買い」を連想したからでありましょう。
阿蘇山では、13日午後3時半ごろから火山性微動の振幅が大きくなり、噴火警戒レベルが既に「2」に引き上げられておりました。
既に本日の噴火には「予兆」があって、既に警戒されていたところ、本日の噴火を経て警戒レベルが「3」に引き上げられた事も、なんとなく、決算発表や企業のIR開示を受けて、株価の見通しを引き上げたり引き下げたりする、株価予測に似ているようにも感じました。
しかしながら、企業業績はある程度予測できても、果たしてその業績見通しが株価に、いつ、どれくらいのインパクトをもって反映されるかについては、何ら断定的な判断がくだせません。
結局のところ、実際の株価推移を見ながら投資シナリオと投資行動を調整する、という対処が大部分でありましょう。
「なぜ事前に株価推移が予測できなかったのか?」というお叱りを頂戴する事もしばしばですが、投資助言会社は「見込みや予測やアイデア」を投資情報としてご提供する事はできても、「株価を当てる」事はできません。
そういう点では、噴火予知よりも株価予測の方が難しい、と申し上げても宜しいのかなと思っております。
月末に予定されている選挙を経て、新政権は何らかの経済対策を発表するものと考えられますが、大雨、台風、地震や火山の噴火という自然災害が多い昨今、それらの対策の為の「国土強靭化」は現実的であり、政策としての即効性も、国民の理解や支持を受けやすいテーマであると考えます。
先日のYouTube収録の際に私が参考銘柄としてご紹介したライト工業(1926)は、本日一時年初来高値を更新する場面が見られました。
※上記動画は音声が出ますのでご注意ください。
(10/12撮影)
上掲のとおり、この先の株価予測は決してたやすくはありませんが、投資テーマとしては実情を反映しているし妥当であると考えます。
執筆:木村泰章
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