リユース関連銘柄のコーポレートアクションや値動きから目が離せない
昨日、リユース関連銘柄の中心的存在のひとつ、ブックオフグループホールディングス(9278)の10月月次売上が開示されました。
既存店売上高前年比は111.9%となり、22年5月期に該当する直近5か月の売上としては、前年比で最も伸び率が大きくなっています。
▼2021年10月 月次の売上状況について(2021/11/4)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9278/tdnet/2040233/00.pdf
「リユースブーム」は、コロナ禍で派生した「巣ごもり」や「おうち時間」の増加による、一過性のトレンドではないか?という指摘も確かにあります。
一方で、不要物を現金化し、必要なものを少しでもお安く入手したい、という消費者心理はウィズコロナ、アフターコロナに限らず根強く、「リユース商品」に限らず「新古品」に近い商品も多数取り扱われている事から、むしろ、「ディスカウントストア」の延長的な認識が、消費者の間で浸透し始めているような印象です。
ここで、ちょっと待った!
ブックオフは「中古本」から総合リユース化戦略を推し進めていますが、よく混同されがちなハードオフ(2674)は実はブックオフとは別グループを形成しており、こちらは「総合リユース業」という立ち位置だという事実をご存じでしょうか?
一般的な「リユース」という概念に近いのは、むしろ、専門色が色濃い事業をグループ企業内で束ねているハードオフの方で、「リユース」と言ったらハードオフの方こそ消費者のイメージ的にも近いかもしれません。
しかも、ハードオフはブックオフの大株主である一方、ブックオフはハードオフの主要株主には出てきません。
ハードオフの2Q決算発表は11月8日予定ですが、個人的に注目しているのは、その決算発表内容そのものではなく、現在東証1部に上場しているハードオフが、来春の市場区分変更に向けて、どんなアクションを取ってくるのか、という点です。
ブックオフは、8月18日の時点で、新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する二次判定の見送りを発表しており、一方でプライム市場上場維持基準充足に向けて取り組む旨を明らかにしています。
▼新市場区分における上場維持基準への適合状況に関する二次判定の見送りとプライム市場基準充足への取り組みについてのお知らせ(2021/8/18)
https://ssl4.eir-parts.net/doc/9278/tdnet/2018019/00.pdf
ブックオフの市場区分変更に向けての対応を参考とすれば、ハードオフがプライム市場上場維持基準を満たしているとは考えにくく、ブックオフもハードオフもプライム市場を選択するつもりであれば・・・
(1)ハードオフの筆頭株主の保有株を売出しして、そのうちの多数部分をブックオフが買い取るとか
(2)ハードオフの保有するブックオフ株との株式交換とか
(3)まさかの合併とか
(4)まさかのブックオフによるハードオフTOBとか
(5)まさかのハードオフによるブックオフTOBとか
「大団円」的な、ポジティブサプライズ的な、発表が控えているのではないだろうかと、勘繰りたくなってしまいます。
奇しくも本日は、昨日の取引終了後に21.9月期の決算を発表し、22.9月期の業績見通しは開示しなかった、リユース事業を出がけるBEENOSの株価が、一時20%超と大幅下落となりました。
しばらくの間、リユース関連株群のコーポレートアクションや株価推移から目が離せない展開が続きそうです。
◎参考銘柄
ブックオフグループホールディングス(9278)
ハードオフコーポレーション(2674)
執筆:木村泰章
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