定期観測:11月の工作機械受注統計(速報値)
12月9日の取引終了後に、日本工作機械工業会から11月の工作機械受注統計(速報値)が発表されました。
▼日本工作機械工業会受注速報2021年10月分(2021/12/9)
https://www.jmtba.or.jp/wp-content/uploads/sokuhou2111elkvk.pdf
受注総額は前年同月比64%増の1454億と、13カ月連続で前年実績を上回りました。
うち内需は前年同月比84.1%増と8カ月連続で増加、外需は前年同月比55.1%増と13カ月連続で増加となっています。
前月比ベースではいずれも小幅のマイナスとはなりましたが、トレンドとしては概ね増加傾向に変調無しとみて宜しいでしょう。
日経新聞では牧野フライス(6135)とツガミ(6101)の担当者談が紹介されていました。
牧野フライス:「米国で半導体製造装置向けが伸びたのに加え、中国でも自動車向けが好調で11月の受注は想定を上回った」
ツガミ:「国内を含む全地域で需要は堅調を維持しているが、米中の政治的な対立や中国での新型コロナの感染再拡大がやや気がかりだ」
こちらからも、外需を牽引してきた中国の先行きに関しては、依然として不透明要素があるものの、概ね下げ止まり傾向にあるものと推察いたします。
牧野フライスもツガミも12月に入ってからの株価推移は切り返し基調が続き、ツガミは本日、ようやく75日移動平均線(執筆時:1628.3円)を捉えて、その上抜きに期待がかかります。
逆に、機械セクター全般の中で先んじて切り返し基調となっていた、建機の代表的存在であるコマツ(6301)と日立建機(6305)は、概ね、それぞれの75日移動平均線近辺を頭に、再度下向きに転じてしまいました。
なかなか判断が難しい局面ですが、この2銘柄はむしろ、全体相場の膠着感の影響を色濃く受けている印象です。
牧野フライスとツガミvsコマツと日立建機の動きは1か月前と真逆の展開です。
▼前回の動き
https://1376partners.com/blog_kimura?year=2021&month=11&date=10
ベアリングの最大手、日本精工(6471)の株価推移も依然横這いで、結局のところ、機械セクター全般の銘柄群の値動きは未だまちまちながら、それでも、一時の弱気観測は徐々に後退しているように感じます。
まだまだ「病み上がり」的な状況ではある上、多分に希望的な観測も含んではおりますが、個人的には、機械セクター全般に関しては強気見通しを継続したいと存じます。
◎参考銘柄
・コマツ(6301)
・日立建機(6305)
・日本精工(6471)
・ツガミ(6101)
・牧野フライス(6135)
執筆:木村泰章
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