ASML21年10~12月期決算:半導体リベンジ生産基調に期待
半導体露光装置大手のオランダASMLが1月19日に2021年10~12月期決算を発表しました。
受注高は70.5億ユーロ(前年同期比66.4%増)と過去最高に迫る一方で、
売上高は49.9億ユーロ(約6400億円、前年同期比17.2%増)となり、会社計画の50.5億ユーロに対し若干未達でした。
ベルリン工場での火災が売上に影響を与えており、22年1~3月期の売上高は34億ユーロ(中央値、前年同期比22.1%減)と、
コンセンサスと見られていた54億ユーロを大幅に下回る低水準見通しです。
一方で22年の年間ベースの売上高は21年(186.1億ユーロ)比で、2割前後拡大する事が見込まれております。
先端プロセスのEUV(極端紫外線)露光装置などの需要が強く、工場火災からの復旧を進めることで、豊富な受注残に対応する構えです。
10~12月期の受注高は前四半期比で14.1%伸び、これまで最も多かった21年4~6月期(83億ユーロ)に次ぐ規模となっています。
このうちEUV向け装置は26億ユーロ(前四半期は29億ユーロ)と高水準が継続しています。
半導体の微細化需要は、次世代通信規格5Gの普及などを追い風に強まっており、
台湾のTSMCや韓国のサムスン電子といった世界的半導体メーカーがEUVを使った半導体量産計画を進めています。
検査や感光剤の塗布・現像といった、EUV露光装置の周辺装置は日本企業が強みを持っている分野です。
東京エレクトロンやレーザーテック、信越化学やアドバンテストといった主要な半導体製造装置株関連企業だけでなく、
ホロン等の比較的小ぶりな新興市場グロース株や、半導体商社等の株価にも、「リベンジ生産」は追い風となりましょう。
全体相場が大きく下押しした後の切り返し局面では、半導体関連セクターを投資対象として物色してみるのもご一考かと存じます。
◎参考銘柄
・東京応化工業(4186):EUV用フォトレジスト世界トップ
・JSR(4185):EUV用フォトレジスト
・日本電子(6951):フォトマスク製造用電子ビーム装置
・ホロン(7748):半導体電子ビーム測定・検査・製造装置専業
・A&D(7745):ホロンの親会社
・菱洋エレクトロ(8068):半導体商社で外国製に強み
執筆:木村泰章
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