来週の株式相場に向けて気がかりな事:ファナック(6954)が5.79%安
ウクライナ情勢の緊迫化を受けた海外市場の流れを引き継いだ形で、日経平均の27000円割れで始まった本日の日本の株式市場は、身構えていたほどの大幅下落とはならず、日経平均は本日の安値からは300円超切り返して、27122.07円で終了致しました。
一方で、来週に向けて懸念材料となりそうなのが、本日のファナック株の値動きです。
大手外資系証券によるレーティング及び目標株価の引き下げの影響もあったものと考えますが、終値でも5.79%安という大幅安。
チャート(日足ベース)上では窓を開ける形で、昨年来の安値を更新してしまいました。
2月15日に、今期の業績見通しが前期比で30%超の減益(連結最終利益ベース)となる旨発表されたツバキ・ナカシマ(6464)も、9.28%安と大幅続落となりました。
一昨日の当コラムでは、1月の工作機械受注統計(速報値)の数値をもって、機械株全般に対する見方を強気、とするのはやや早計なように感じる旨、私見をご紹介致しました。
https://1376partners.com/blog_kimura?year=2022&month=2&date=16
本日のファナック及び機械株全般の軟調推移の背景となったと思われるのは、昨日内閣府から発表された「機械受注統計」のうち、特に1~3月見通しの部分が悪材料視されたものという印象です。
▼機械受注統計調査報告(2022/2/17)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/juchu/2021/2112juchu-4.pdf
下記、上掲の調査報告から抜粋です。、
1~3月の受注見通し(原系列)を機種別に前年同期比でみると、
・工作機械(46.3%増)、原動機 (21.9%増 )、電子・通信機械 (18.7%増)及び重電機 (13.4 %増)で増加する見通し。
・反面、鉄道車両 (37.2%減)、船舶 (33.2%減)、産業機械(17.2%減 )、航空機 (7.8%減 )及び道路車両(1.0%減)で減少する見通し。
つまり「工作機械は良いが産業機械は厳しい」、という構図が浮かびあがります。
ただ、実際の株価推移面は、そうした「ピンポイント」での騰落ではなく、機械全般に売りが出てしまっている印象です。
となると、やはり、来週の株式市場に関しての懸念となりそうなのが・・・、
・サプライチェーンの回復が想定以上に遅れる⇒部品調達難が大企業製造業全般に波及してしまう懸念
・値がさ株やPER水準が割高なグロース株銘柄群に対する売り基調が続く懸念
の2点を想定しておかねばならないかもしれません。
米国金利の上昇、ウクライナ情勢の緊迫、という「不確定要素」以上に、上記2つの懸念点は深刻であるかもしれません。
執筆:木村泰章
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