有事のさなかだからこそ、どんな資源も貴重
本日の株式市場、全体が軟調推移の中で買いを集めたのが、いわゆる「資源株」でした。
東証1部の業種別株価指数で値上がりトップは「鉱業」の7%超高、次いで「石油・石炭製品」が1.74%高、「非鉄金属セクター」もしっかりでした。
原油高からの連想ですが、再生エネルギーやクリーンエネルギー等こそがトレンドとされていた頃が噓のように、無いだろうと思われていた「戦争」が現実のものとなった事で、カーボンニュートラルという大きな流れの中でも、「背に腹は代えられぬ」的な買いが、資源株全般に向かっていると申し上げて宜しいでしょう。
これらのセクター群は、個人的には正直なところ、「市況関連」的な、業績の「荒っぽい」シクリカル性があるのではないか、というイメージでしたが、やはり資源不足というシナリオは地球レベルの課題のようで、一過性の赤字はあっても、直ぐに切り返すという動きの方が多いようです。
業績推移的には、不安定なイメージが強い三井松島HD株でさえ、株価推移は上昇トレンドが継続中で、週足ベースのチャートでは特に、13週、26週、52週移動平均線が揃ってきれいに右肩上がりとなっています。
また、これらのセクターにはいわゆる「万年低PER割安銘柄」も多く、例えば、PER10倍割れから一気にPER20倍まで買われるような展開は期待できませんが、3月決算で有配という銘柄が多く、タイミング的には3月末に向けて配当取りの買いも流入しやすい、という背景もありましょう。
有事となると、直ぐに軍事・防衛関連銘柄が短期目線で物色されたり、サイバー攻撃だとなると、直ぐにITセキュリティ関連銘柄が短期目線で物色される傾向にありますが、一方で、原油高が進む中でコツコツと資源株を買い、まさかの有事をも「追い風」に、期末配当狙いの買い流入まで想定していた、というあすなろの会員様も居られ、あらためて頭が下がる思いです。
ご自身なりの投資シナリオ・ストーリーを組み立て、じっくり仕込んで焦らず待つ、これぞ本来的な「投資道」の姿かと存じます。
荒れ相場の中であっても、いえ、荒れ相場の中だからこそ、王道中の王道である、そうした投資スタンスが必要であるものと考えます。
◎参考銘柄
・東邦チタニウム(5727)
執筆:木村泰章
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