大事件です!キタ~っ!オイルマネーが日本株を買う?
ロシアのウクライナ侵攻を受けて、原油価格の急騰から資源高、原材料価格上昇、インフレという流れの中、株式市場の不安定感はなかなか完全に払しょくされない状況が続いておりますが、逆に、これらの外部要因の恩恵を受けると思われる投資主体からは、日本株にも資金流入も期待できるかもしれません。
はい、いわゆる「オイルマネー」です。
直近の大量保有報告では、あまり馴染みのない投資主体による下記のような届け出が観測されています。
サウジアラビアの政府系ファンドである「パブリック・インベストメント・ファンド」(以下PIF)です。
・コーエーテクモHD(3635):新規5.03%
・カプコン(9697):5.05% ⇒ 6.09%
・ネクソン(3659):6.03% ⇒ 7.09%
ゲーム縛りですね。
上記3銘柄に共通しているのは業績推移面が拡大傾向という点、経営の効率性を判断する指標として海外投資家が重視するROE(自己資本利益率)が高いという点です。
このPIFは、ロイターの報道によれば、昨年12月時点で560億ドル近い米上場株式を保有しており、ブルームバーグは、PIFが2022年に上場株式に約100億ドル(約1兆1500億円)を投じる計画だと報じています。
https://www.arabnews.jp/article/saudi-arabia/article_32179/
サウジアラビアの「SWF=ソブリンウェルスファンド」としては、サウジ中央銀行(SAMA)以外、過去に投資主体としてはあまり認知されていなかった傾向が強く、PIFの投資行動は今後、世界各国の注目を浴びる事でしょう。
ゆえに、PIFが日本株投資に動いたというのは「大事件」と申し上げて宜しいと思います。
一方、オイルマネーとして有名なアブダビ投資庁(ADIA)は、「ソブリンウェルスファンド」としてはPIFよりも世界的に有名ですが、ADIAの株式投資スタンスは、大型優良株への長期分散投資が主流で、1銘柄あたりの保有比率は大きく無い為に、大量保有報告にはほとんど登場しません。
ソブリンウェルスファンドとしては、ノルウェー政府やシンガポール政府も有名ですが、前述のPIFは将来的にこれらを上回るほど存在感を示すようになるものと予想します。
こうしたソブリンウェルスファンドは、基本的にはロングオンリーの投資家で、投資対象銘柄を平均3~5年継続保有すると言われていますので、個人投資家の投資対象にも適していると言えましょう。
PIFが日本株を、それもトヨタやソニーやアドバンテストでは無く、ゲーム関連株を買ったというのは、この先の株式投資のトレンドをも暗示しているのかもしれません。
IT/DX/メタバース周辺の成長性こそに着目しているのかもしれません。
ETF買い入れを通じて、アドバンテストの第1位の大株主と言われている、我が国の中央銀行のスタンスとは全然違いますね。。。
執筆:木村泰章
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