株式会社あすなろ 関東財務局長(金商) 第686号 一般社団法人 日本投資顧問業協会 第011-1393

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あすなろ投資顧問

2022-05-07 09:00:00

アナリスト木村の銘柄研究部

その投資行動、本当に今、直ぐに必要ですか?

週末・休日版コラムでは、銘柄や相場や経済についての直接的な話ではなく、むしろ、そこから離れたところからの目線で、しかしながら、結局最後は株式投資にもつながるような話もご披露したいと存じます。
かなりくだけた内容ですが、週末・休日版という事でご了承いただき、お付き合いください。

久しぶりに行動制限の無い大型連休となった事で、観光地はどこも多くの人出で賑わったようです。
ちょっと込み合っても、なんとか3密を回避しつつ、コロナ対策に縛られていた日常から解放されて、「非日常」を楽しみたい、と考える方々が大勢いらっしゃった事は想像に難くありません。

私は5月4日に、日帰りで、どうしても山梨県の甲府から車で30分ほどの所にある妻の実家へ行かねばならず、早朝5時から交通情報をチェックしながら待機。
およそ130キロの道のりですが、混雑が無ければ、中央自動車道経由で、東京の自宅から最短で2時間かからずに行けます。

天気が良かった事もあってか朝6時前から八王子IC付近で渋滞が始まったようでしたので、早朝出発を見送って、お昼過ぎに途中で外食しながらゆっくり出掛ける事を選択しました。
交通量は多かったものの、大した渋滞も無く、12時半に自宅を出て、食事をしてから中央自動車道に乗って、15時過ぎには妻の実家に着きました。

問題は帰り道。
当初は20時には実家を出て、22時に自宅に帰着、という「希望」でしたが、既に17時前から事故等の影響もあって中央自動車道の渋滞が始まり、19時前にはなんと、一時、大月IC~八王子ICが「通行止め」になってしまいました。

私は、少なくとも年に数回は、自宅と妻の実家の間を、車で往復しますし、それをほぼ30年間にわたって続けて来ましたので、中央高速の八王子IC~勝沼IC間が「難所」である事を充分に認識しております。
雨や雪や霧で通行止めになる事も珍しく無く、難所ゆえに事故も多発し、事故が多発するから慎重に運転する人が多く、慎重に運転する人が多いゆえに、慢性的に渋滞しがちです。

過去に崩落事故が起きた笹子トンネル、東京との県境の小仏トンネルは2車線ですし、付近は急カーブや急こう配が続き、渋滞の起点となる事が多いのですが、そうした「構造要因」だけでなく、「人の行動」が巻き起こす渋滞が多い事でも知られる区間です。

その「人の行動」のひとつが、混雑時・渋滞時にもPA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)に立ち寄ろうとする人が後を絶たない事。
さらには、夜間や悪天候下であってもこの「難所」を、「難所」という意識が無いまま利用しようとする人が少なくない事です。

PA/SAはそもそも、高速道路等の運転中に休憩を取る場所であったはずで、トイレと飲料自動販売機程度があればPAの「機能」としては充分なはずだったのに、近年では小さなPAでもコンビニが併設されていたり、外食産業のチェーン店が併設されているケースも多くなってきました。
SAに至っては、大きな商業施設を併設しているケースも少なく無く、「通過点ではなく目的地」にしようという試みさえ見られます。
その土地・地域の特産・名産品を買ったりできる利便性は嬉しいものの、PA/SAに頻繁に立ち寄ろうとする車が渋滞を引き起こしてしまうこともあるのではないでしょうか?

実は30年ほど前まで、中央高速の八王子IC~大月IC間を大晦日~元旦にかけて利用するには、もうひとつ、非常に困った事態が多発していました。
いわゆる「暴走族」による「暴走初め」で、大月から中央道富士吉田線を経て富士山方面へ向かう人達が、八王子~大月間でも大騒ぎを巻き起こし、蛇行運転に逆走、花火に座り込みと、とても高速道路上とは思えぬ事態が毎年のように繰り返されていました。
警察の取り締まりが強化され、こうした事態は今やほぼ皆無となっていますが、その際の取り締まりでは、PA/SAへの立ち寄りをも厳に規制する徹底ぶりでした。

「規制」は無理でも、高速道路を利用する人達が、「暗黙の了解」的に、混雑時や交通集中時には、PA/SAを頻繁に利用しないよう心掛ける事は可能であるように思いますし、個人個人が気を付けて渋滞を引き起こさないような行動も必要であると思います。
シニアドライバーや初心者や運転に不安があるのであれば、暗くなる前や、混雑していない時間を狙っての利用・運転を心がけるべきだし、1人だったり、運転に不安が無いのであれば、逆に早朝や夜間の利用・移動をする事で、「運転弱者」に気遣う事も必要であるように思う次第です。

かなり乱暴なこじつけですが、株式投資も同じではないでしょうか?
連休の谷間だった5月2日と6日は日本の株式市場は「開いて」いましたが、不要不急なのであれば、「利用」する必要も、売買する必要も無いように思うのです。

5日のNY市場が大幅下落となっても、6日の日本の株式市場はそこそこしっかりとした展開でした。
結果的には慌てて投資行動を取る必要は無かったのですから、「先を読む」つもりで、「裏を読む」つもりで、「賢く立ち回ろう」という投資行動は、むしろ、流れに逆らう動きとなってしまう恐れさえあります。

「Let it go」であり「As it goes」というスタンスで、流れに沿って投資行動を取ったり、流れに任せる事も必要であり、一個人の、さして必要でないと思われるアクションが、むしろ、誰からも歓迎されない結果を招いてしまう可能性がある事をも、認識しておく事こそ必要であるように思う次第です。

GW最後の土日、皆様が安全に、穏やかにお過ごしになられますようお祈り致します。



執筆:木村泰章

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