日銀短観は「インライン(想定どおり)」との印象で、株式相場に与えるインパクト無しと見る
3月短観の調査期間は2月27日から3月31日、回答基準日は3月13日でした。
従いまして、調査結果には米国の銀行破綻や欧州金融機関の信用不安の影響は「ほとんど反映されていない」との事です。
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<大企業・製造業>
大企業・製造業の業況判断指数DIは前回の12月調査から6ポイント悪化のプラス1となり、5四半期連続の悪化、2020年12月調査以来の低水準となりました。
QUICKが事前に集計した市場予想の中央値はプラス4だった模様で、この予想中央値を3ポイント下回った形になります。
この背景と見られる主な要因は下記のとおりです。
・資源やエネルギー価格の上昇による製造コスト高や海外経済の減速が景況感を押し下げた。
・半導体市況の悪化も響いた。
電気機械は前回から15ポイント悪化のプラス3、生産用機械もプラス24と前回から6ポイント悪化。
一方で、自動車がマイナス9と前回から5ポイント改善し、造船・重機等もマイナス8と4ポイント改善しました。
先行き判断DIはプラス3と、原材料コスト高の一服や販売価格の引き上げなどが寄与し小幅な改善が見込まれています。
「繊維」「石油・石炭」「電気機械」などでは、自動車生産の回復が好影響となるものと予想しています。
<大企業・非製造業>
大企業・非製造業の業況判断DIはプラス20と4四半期連続で改善し2019年12月調査委以来の高水準となりました。
こちらは市場予想の中央値とほぼ一致していた模様です。
先行き判断DIはプラス15と悪化が見込まれております。
原材料コスト高や物価上昇、人手不足への懸念が先行きの景況感に影を落としているものと考えられましょう。
一方で、コロナの影響が後退するとの期待から、「通信」「対個人サービス」「宿泊・飲食サービス」などの分野では改善を見込んでいます。
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事前予想との比較では、<大企業・製造業>の悪化「幅」について、一部の市場関係者から、「予想よりもやや悪い」との指摘もありましたが、「方向性」としては概ね、<大企業・非製造業>と共に、予想の範囲内であったものと考えます。
3月短観の内容が、株式市場に対してマイナスの影響を及ぼす可能性は乏しいものと見ます。
一方で、注目に値すると考えられるのは、<大企業・製造業>の先行き見通しで、こちらも「改善幅」が重要なのではなく、
「5四半期連続の悪化が一服し改善に向かう」という「方向感」こそが、株式市場にプラスの影響を及ぼすものと見ます。
特に、「自動車生産の回復」が様々な業種に好影響を与えるとの期待から、今後の株式市場においては引き続き、「自動車生産回復」というメインシナリオに沿う形で、「投資テーマ」及び「投資対象」の選別が進む事を予想致します。
やはり、「自動車関連」「半導体関連」銘柄群の、株価の切り返し・上伸こそが、全体相場のセンチメント感にも好影響を及ぼしてくれそうですね。
執筆:木村泰章
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個人的に注目している銘柄
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◆IJTT(7315)
◆芦森工業(3526)
◆日本精機(7287)
◆大同メタル工業(7245)
◆ウェッズ(7551)
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私のコラムで紹介した銘柄
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◆コスモエネルギーHD(5021)
3月の日銀短観がプラスに作用した一例と申し上げても宜しいかもしれません。
本日の株価は一時昨年来の高値を更新。
日足チャート上では再度上昇トレンドが形成されそうです。
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単発スポット銘柄の見解
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◆≪木村泰章のザ・カリナンダイヤ銘柄(****)≫
フォローメールを配信致しましたので、ご確認ください。
引き続き、買い直し・買い増しのタイミング及びポイントを探ってまいりましょう。
◆≪木村ゴールド会員銘柄(****)≫
●●日移動平均線を上回ってきました!
もう数10円上伸が続くと、切り返し基調が鮮明になったと見る投資家の買いが流入する可能性もありましょう。
引き続き「逆襲」にご期待ください。
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