個人投資家は投機家にあらず:投資と投機の違いを再確認
短期的な市場価格の変動により利益を得ようとする行為のことで、不確実だが当たれば大きな利益を狙える方法のことを指します。
レバレッジをかけて利幅を広げたり、取引回数を増やしたりして利益を増やすことを目指すのが一般的です。
リターンを得る理論が説明できなかったり根拠が希薄なものへ資金を投入する行為と申し上げても宜しいでしょう。
<<投資とは>>
利益を得る目的で将来有望な企業や事業に資金を投入し、それらの価値が向上した結果として生まれる利益や配当を得る行為を指します。
通常は長期的な視点で取り組んで安定した利益を得ることを目指すのが一般的です。
リスクとリターンを理論(相場には絶対的に正しいものは無いので正しいかどうかは問題ではありません)的に説明できるものへ資金を投入する行為と言えましょう。
<<短期投資とは>>
「デイトレード」や「スイングトレード」と呼ばれているのが典型的な短期投資です。
投資先の値動きを追跡して、短期間で売買を繰り返すことにより利益を得ていく点が特徴です。
<<長期投資とは>>
長期投資は投資先の企業が成長するまで長い期間にわたって株式の保有を続けます。
日々の値動きを気にするのではなく、長期的な視野で値上がりを待つ点が長期投資の特徴と言えましょう。
<<投資と投機の特徴の違い>>
◆リスク
「投資」と「投機」では「リスクの高さ」が異なります。
「投資」は保有期間が長いことが多いため、「複利効果」を利用して、リスクを最小に抑えながら時間をかけてゆっくり資産を増やします。
一方「投機」の場合は短期間で一発勝負に臨む傾向が色濃く、おおむねリスクが高くなってしまうのが特徴と言えましょう。
◆保有期間
「投資」と「投機」では「保有期間」も異なりましょう。
「投資」は長期においてじっくり育てるのが基本的な考えですが、「投機」の場合は短期間で売り時や買い時の好機を探り、売買を繰り返すことが多いのが特徴です。
◆属性・職業・職種としての認識
「投資」と「投機」は文字に起すと似ていますが、英語では「投資=インベストメント」、「投機=スペキュレーション」と明確に区別されています。
「投資家」という言葉は一般的でも、「投機家」という言葉は滅多に目や耳にしない事からも、「投機」という行為自体に対する世間一般の認識は、決して推奨されるものでは無い、という傾向が見て取れましょう。
「職業は投資家です」というケースは珍しく無くとも、「属性は投機家です」というのは社会的にも認められない風潮があるものと存じます。
会員様各位は個人「投資家」であって、「投機家」を自認なさられている方がいらっしゃるとしても、ごくごく少数でありましょう。
皆様は概ね、「投機」ではなく、「投資」に挑まれているというご認識なハズです。
しかしながら、「投資」の基本は長期投資である為に、保有期間が長引いたり、株価の下落局面が長引くと、どうしても不安心理に苛まれる事となり、結果として保有期間は短い事が好まれ、気が付くと「投機」的な側面が大きくなってしまっているのではないかとお察し申し上げます。
「日々の値動きを気にするのではなく、長期的な視野で値上がりを待つ」
言うは易く行うは難しでありましょう。
ただ、「投資家」の行う「投資」の基本的姿勢は、あくまでもコレこそが「大前提」です。
となると、あくまでも、長期投資スタンスでありながら、トレーディング的見地をも交えて、こまめに利益確定を行いつつ、株式投資のお取り組みは、リスクとリターンのバランスを認識したうえで、長期目線で行う、という姿勢こそが現実的かつ理想形に近い、と申し上げて宜しいように思います。
重ねて申し上げますが、会員様各位は「株式投資」に挑まれている、「投資家」です。
どのような投資スタンスであられてもご尊重致しますが、知らず知らずのうちに、「投機」的な側面が強くなってしまって、「リスクが増大」する事が無いようにご留意いただきたいと存じます。
執筆:木村泰章
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