アクセル（6730）※決算発表予定日 2023/11/08

ＬＳＩ（大規模集積回路）ファブレスメーカー。グラフィックスを中心とした回路設計に強みがあり、パチンコ機器向けが多い。今後はＡＩ（人工知能）を活用し、ＦＡ（ファクトリーオートメーション）やスマートシティ、スマートモビリティ、ヘルステック分野への参入を狙う。パチンコ関連は安定した収益基盤と考え、この先はパチンコもスマート化が予想される。つまり出玉やメダルが遊技機内で循環するスマートパチンコが主力になってくるかもしれない。出玉がないぶん、ディスプレイでのワクワク感が試されることになるだろうが、アミューズメントに強い同社の強みを活かせば、よりダイナミックな映像の負荷が求められるＬＳＩの回路設計が試されよう。

８月には１Ｑ決算を発表しており、営業利益は7.77億円（前年同期比126.4％）という“ラッキーな数字”かつ大幅増益で着地。安定した収益基盤であるＬＳＩ開発販売が好調であった模様。そして、新規事業のセグメント損失幅が縮小したことで今後の「問題児（Ｐｒｏｂｌｅｍ Ｃｈｉｌｄ）」を「花形（Ｓｔａｒ）」へと昇華させることができるかが、利益水準向上のカギとなろう。寡占化のパチスロ関連事業も、ファインピッチな細かい回路の設計で顧客の困難な要望に応えられるかが、「金の成る木（Ｃａｓｈ　Ｃｏｗ）」から「花形（Ｓｔａｒ）」へと返り咲く手がかりになりそうだ。

株価は需給が拮抗している状況と思われ、大きな展開は見られない。上掲の１Ｑ決算発表後に急反発した後は、大量に利益確定売りが見られた。ここで売り物を拾った投資家によるやれやれ売り（戻り待ちの売り）が上値を抑えている影響が大きいのであろう。下値は底堅い印象で、各日足ローソク足の下ヒゲ（10/6・10/16・10/24・10/31・11/1）にも見られるように、すくっと株価が立ち上がる感じが見て取られるため、極端な下値要素は乏しいだろう。スタンスとしては材料待ちになるだろうが、次回決算（11/8発表予定）を買いのキッカケにするのはリスキーと見る。ボラティリティが高まるため、次回決算内容をまずは確認し、シナリオに変更が無ければ、トレンドが安定してきたタイミングで買いを少しづつ入れてみるのが無難な方策であろう。