日本発条（5991）

ニッパツ。クルマの部品メーカーでばねなど製造・開発。ＥＶ(電気自動車)向け製品への注力が進んでおり、精密ばねの開発技術を活かした製品『モーターコア』はモーターに不可欠な部品であり、今後はこれらＥＶ向け製品の販売がメインになるだろう。執筆時点のＰＢＲは0.77倍と１倍割れ水準。今期の経常利益見通しは増益であるというファンダメンタルズ面の良さを鑑みると、ＰＢＲ水準是正に伴う株価上昇余地は十分とみる。信用残の買い残減少と売り残増加により、信用面でも魅力があり、引き続き資金流入が期待できそうだ。

先述した通り、今期会社側予想の経常利益は増益で400億円(前期比7.2％増)の予想。アナリストコンセンサスは385億円だが、中間決算値が会社予想値から上振れ着地したことを考えると、通期の同利益実績も強気に見てよいだろう。ただ、本業の儲けを表す営業利益は中間決算予想値から小幅下方修正での着地となっており、間接費用の高騰対策が今後の課題となりそうだ。一方で、売上高は増収であり、製品の需要そのものに問題点は見られないようだ。ＡＩによる通期予想値(経常利益)は460.3億円と同会社予想値からかなり上振れする予測。

関連指標であり東南アジア経済の成長率の高さや、国内エレクトロニクス製品輸出の増加が利益を押し上げると見ている様子。確かにインドを中心とするいわゆるグローバルサウスの隆盛は目を瞠るほどであり、ＡＩ予想の実現性は高いとみられる。株価は11/13引け後に発表された中間決算発表前に急伸。決算に対する市場参加者の期待度を示していると言える。その後急落することもなく高い位置をキープしているため、今後の業績向上を見込んだ買いは当面続くだろう。反動安に注意しながら、1300円処を狙ってインするのも一考だ。