ホクリヨウ（1384）

創立70年の歴史のある鶏卵生産・販売大手。毎日300万個もの卵を生産・出荷しており、家計への影響が大きい隠れた企業だ。この体制を維持するには、雛を育成するための農場経営、卵の安全性の検査などが必要で、電気代等エネルギー価格高騰の影響を受けやすい点もある。また、高病原性鳥インフルエンザの大量発生等、苦しい事業環境ではあったが、これらのリスクも低下しつつあり、再び同社株に注目が集まりつつあるようだ。

実際に11/14には業績予想及び配当計画の上方修正を発表。上掲のリスク要素もなくなりつつあるが、飼料コストの低下等に努めた結果、今通期の営業利益は15.47億円から22.46億円と45.2％の増益の予想に修正。期末配当金は1株当たり20円から40円と2倍(に増額修正)。中間決算時における営業CFは前期の4倍近くまで改善しており、投資CFの水準はほぼ同額。これにより資本政策の原資が急増していると見ており、今後何かしらの好材料が発生するかもしれない期待感も膨らむ。

ちなみにAIによると、今通期の営業利益予想値は33.3億円。会社側予想値の1.48倍とAIはかなり強気に見ているようだ。株価は上掲のIR発表後、急反発。それまで下がっていただけに、決算や上方修正に相当サプライズ感があったのだろう。直近では同材料を織り込みつつ高値圏でのもみ合い商状が見られ、目先は1100円前後での攻防戦が続くと考えられる。テクニカルでは一目均衡表の抵抗帯(雲)を抜け、足元では雲の上限をなんとかキープできるような押し目買いが下値を支えているようだ。遅行スパンが10/18以降のチャートを上方乖離してくれば、上方シグナルが発動したと考えて、仕込み処を探ってみるのも一考だ。