想定為替レートのお話Part2/2:145円まで円高が進んでも企業業績にはプラス
ここでは、下記2点について、企業の「想定為替レート」が示されております。
・全規模全産業:2023年度想定為替レートは1ドル=135.75円で、前回6月調査時点(132.43円)から円安方向に修正されました。
・大企業製造業:1ドル=133.95円で前回6月調査時点(131.63円)から、同じく円安方向に修正されました。
あくまでも「平均値」という観点ですから、個別企業によって想定には差が生じる事が想定されますが、151円から147円へと円高が進行しても、企業の想定為替レートは、もっともっと円高寄り水準を見込んでいる事になります。
業績見込みに与える影響は「軽微」と目される範疇と申し上げても宜しいでしょう。
さらに、9月の日銀短観では、こんな見解も暗示されていました。
・製造業:コスト増加圧力のピークアウトや需要回復への期待から業況感の改善が続くと見込まれる。
・非製造業では物価上昇による需要の減少やコストの増加、人手不足の深刻化等による悪影響が懸念され、業況感は悪化が見込まれる。
あれ?
なんだか似たような記事・見解をつい最近も目にしたような、ご記憶はございませんか?
はい、日経新聞の記事(23.11.20付)ですね。
『製造業の利益、非製造業を15年ぶり逆転』
製造業の4~9月期の純利益は、1兆6425億円と前年同期から12%増え、非製造業(8%増の11兆5652億円)を上回りました。
円安進行や、供給網改善による生産回復、値上げが下支えした事が背景と目されております。
Part1/2でお伝え申し上げた、「大企業製造業群で利の乗っている銘柄は、一旦利益確定こそを優先すべき局面」との根拠はここにあるわけです。
わかりやすいなぁ~、あすなろの解説は!(^^)!
まとめますと、数日間などという極めて短期間で、例えば5円超などの急激な円高進行が示現すれば、確かに、株式市場に対する一過性の悪影響は懸念されるものの、レベル感的には円高が143円~145円レンジまで進んだとしても、それほど深刻な悪影響は生じないものと見ます。
むしろ、「森より木を見る」相場展開が久々に訪れた事の方こそを、ポジティブ視したいと思います。
執筆:木村泰章
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個人的に注目している銘柄
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◆三菱製紙(3864)
◆中越パルプ(3877)
◆極洋(1301)
◆中部飼料(2053)
◆日本甜菜製糖(2108)
本日は輸入産業と目される銘柄群のうち、時価総額が1000億円以下の銘柄を幾つかピックアップしてみました。
これらは円高進行が業績にプラス寄与するものと目されます。
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